チ・ヒョヌ & ハン・ジワン作家インタビュー公開!「ウォンテッド~彼らの願い~」DVD-BOX2発売記念!

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★★★ハン・ジワン脚本家 インタビュー★★★
― 制作当初から「これは犯人探しのドラマではない」というメッセージがありましたが、見進めていくと非常にそのことが理解できます。執筆にはどれぐらいの時間をかけられたのでしょうか?
2 年位ですね。実は執筆中に、セウォル号沈没事件が起き、その後少しの間書くことができなくなりました。現実がフィクションより残酷だと感じましたし、これをいま書いて良いのか悩むようになったからです。しかし、多くの人たちに向かって発言するチャンスを得られる人は、その責任も果たすべきなのではと考えるようになったんです。私は大人として、この社会の1人の構成員として、今回の事態に責任があると思いました。だから犯罪者も被害者も、皆が加害者で同時に被害者にでもなれる今のストーリーに段々変わっていきました。

― 主演のキム・アジュンさんが“ハン作家が台本に書いた手紙が出演の決め手のひとつだった”とインタビューでお話しされていましたが、どのような内容だったのか教えていただけますか?
本来、台本に加えるのはドラマの企画意図ですが、なかなか満足のいくものが書けず。メッセージが何より大事なドラマなので、私の率直な気持ちを手紙で書こうと思いました。「このドラマは‘誘拐’に関する物語ではありません。‘希望’に関する物語です。我々の社会がどんな姿なのかを正確に顧みて振り返って見て、どんな姿であるべきかを一緒に悩んで欲しいです」というような内容でした。
宮部みゆきさんの言葉も引用しました。「模倣犯」という小説から“誤解を覚悟で話すと、犯罪というのはその社会が渇仰するかたちで起きるに決まっている”という言葉です。力のない人たちが被害を受け、その真実を皆が分かるようにすることさえ出来なくする社会の多様な側面を語ろうとしたからです。
(3ページにつづく)

2017.10.03