続いて、宇野から最近亡くなったジョージA.ロメロについて聞かれると、「当然のことながら、ゾンビジャンルの創始者がロメロ監督で、世界中のゾンビ映画を作っている人はロメロ監督に借りがある。もし僕がゾンビ映画を最初に作ったなら、絶対に著作権を確保します(笑)。でも、ロメロ監督が権利を解放してくれたおかげで、ゾンビはただのクリーチャーじゃなくて、ジャンルになりました。そして彼はゾンビの起源は未知のままにしてくれたんです。それによって、後に映画を作る人が想像力で自分の設定を作れるようにしてくれました。」と、巨匠の影響について語った。
次に豪華なキャスティングについて質問した宇野。監督は「『新感染』の主人公ぐらいの年齢この役を消化できるのはコン・ユしかいないと『トガニ 幼き瞳の告発』を見た時から思っていたから、最初からソグ役には彼しかいなかったんです。コン・ユにオファーをかけて、20分後に彼からOKが来ましたね。(観客:ほお〜!)他に、サンファ役のマ・ドンソクやソンギョン役のチョン・ユミも作品選びが厳しい人だと聞いていたんですが、シナリオを送って少ししてからOKをもらえたから嬉しかったです。」とキャストも虜にしたシナリオについて語った。
『新感染』の魅力について話がもりあがったところで、観客からの質問タイム。女性観客から「駅を使った映画ですが、駅は人が多いのにどうやって撮影したんですか?」との質問に対し監督は「映画で実際に名前が出ている駅では、人が多いのと、高圧電流の通っている電線に機材が当たる可能性があるから撮影できなかったんです。わざわざ閑静な駅に行ってCGで補正しました。」と笑顔で語った。ここで宇野が「残念ながらお時間が迫っているようなので、今のが最後の質問でした!」というと、観客からは「え〜(笑)」という残念そうな声が!たっぷり30分トークをした後も観客たちがまだまだ話を聞き足りないと感じるぐらい、皆さん『新感染』に夢中になっていただけたことが伺えました。
最後に監督は「子供の頃からアニメ監督になるのことが夢でした。日本のアニメや映画からたくさん影響を受けてきて、そんな日本で僕の映画を見てもらえるのは感慨深い。日本の観客がこの映画をどう見るのかは気になりますが、楽しんでみてもらえたら嬉しいです。」と語たり、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の監督来日記念イベントは興奮冷めやらぬまま、終了しました。
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