MC:今日『息もできない』を御覧になって直後ですから、観客の皆さんはこんなにヤン・イクチュンさんが気さくな方だと思っていなかったでしょうね。
野田さん:
僕も初めて会ったときはビビッて行きましたからね、イクチュンずっとサングラスしてましたし(笑)
松永監督:
僕も最初会ったときに、この人が『息もできない』主演のヤン・イクチュンってわからなかった。
MC:お二人が『息もできない』を御覧になったときの感想を改めて教えてください。
野田さん:
表現のすべてに妥協がなくて、伝えたいものがあふれ出していて。僕はそういうものが好きなんですね。これを伝えなきゃダメなんだ、これを表現しないと何も先に進めないんだ、自分は!っていうエネルギーを感じて。しかもそれを映画でやりきっていて、“表現者”としてすごいなと。
松永監督:
最初の劇映画である『トイレのピエタ』と撮る前に、イクチュンにすごい言われたのは「一本目の映画は絶対に妥協しちゃだめだ。自分の監督人生を大きく変えるものだから、絶対に大事に作りたいものを作れ」と。『息もできない』もそういうところが魅力的ですよね。
MC:ヤン監督は『トイレのピエタ』は御覧になりましたか?
ヤン監督:
観ました。キャスティングの中で野田さんは適役だと思いました。以前から松永監督にはこの映画の話は聞いていて「あるミュージシャンをキャスティングしようと思う、彼の情緒があっていて、存在自体がこのキャラクターと重なるところがある」と。劇中で表現されている野田さんの姿と、現実の野田さんの姿が本当に似ているなと思いました。
野田さん:
イクチュンがこんな真面目な話をしているのを初めて聞いた!普段はくだらない話しかしないし、イクチュンどこかしら体調が悪くてお腹が痛いとか、皮膚がかゆいとか言ってるし。(という話には、ヤン監督が「この二人といると自分が末っ子みたいな感じなんですよ、アニキ!」と野田さんに呼びかける場面も)
松永監督:
感想をちゃんと聞いたことがなかったので感動しています(笑)
(3ページにつづく)