「EXO」KRISの訴訟はなぜ?  グループ活動はどうなる?

「EXO」KRISの訴訟はなぜ?  グループ活動はどうなる?

グループ「EXO」の中国系カナダ人メンバーKRIS(クリス/23)が15日、所属事務所SMエンタテインメントを相手に専属契約の無効を求める訴訟を提起し、注目を集めている。

「EXO」がデビューから2年のグループであり、現在は韓国と中国で最高の人気を誇るグループであることから、突然の訴訟提起に事務所側とファンも動揺を隠せない。

KRISは中国系カナダ人として「EXO」の中国活動ユニット「EXO-M」のリーダーを担う人物でもある。

これを前に、「SUPER JUNIOR」の中国人メンバー、ハンギョンが2009年にSMエンタテインメントを相手取り「専属契約効力の不存在確認」訴訟を提起し、現在中国で独自の活動を行っている点で”第2のハンギョン”という言葉も飛び交う事態だ。

■文化の差の克服、企画会社システムへの適応が難しい現実…収益配分で葛藤も

音楽界は、KRISが突然訴訟を起こした理由として、いくつかの可能性を挙げている。

中国人(中国系)のメンバーが韓国に渡り、練習生としての過程を経てデビューするまで、国内の企画会社におけるシステムと文化的な差を克服できずにいたという点だ。

ある有名プロダクションの代表は「外国人メンバーの場合、意志疎通から文化的な差など、あらゆる部分で困難を極めるのが事実」とし「特に、メンバーらが寮生活を送りながら決められたスケジュール表のとおりに練習し、多忙な日程をこなすという歌手育成のシステムに適応できないケースがある。余裕のない日程を消化するなかで、葛藤も生じるはずだ」と説明した。

実際、KRIS側は「SMエンタテインメントが芸能人としてのビジョンを提示するよりも、付属品や商品のように扱った」とし「事務所が韓国および中国などのすべての公演やイベント、出演に対して一方的に日程を決定。その過程で原告(KRIS)の意志や健康状態は全く考慮されなかった」と主張している。

音楽関係者たちはまた、専属契約書の内容の中で収益配分などにおける不当さを感じていたのでは、とも指摘している。

あるガールズグループの企画企画会社本部長は「契約書上で不当だと感じる点があるかもしれない」とし「特に『EXO』の場合、12人で海外を行ったり来たりする多忙な活動に比べると収益配分が不合理だと考えられる可能性もある」と語った。

実際、KRIS側は「収益分配金の支給時、SMエンタテインメントは一方的に作成した計算表だけを提示し、どんな具体的な説明や精算データも明記しなかった」とし「多忙を極める業務や活動に比べて、常に経済的な困難を感じていた」と吐露。

一部では、ハンギョンがSMエンタテインメントとの訴訟の末、専属契約を解除し、中国で独自の活動を成功させていることから、このような姿に影響を受けた可能性もあるとみている。

KRISの弁護人は過去、ハンギョンの訴訟を担当した弁護士と同じ人物であることが伝えられている。また、訴訟を提起した理由もハンギョンのケースと似ている点が注目されている。

■KRISは中国カムバックショー後も現地に残る…初コンサートへの出演は不透明

KRISの突発事態により、先ごろニューアルバムを発表した「EXO」の活動にも黄色信号が点灯した。「EXO」は「EXO-K」と「EXO-M」に分かれて韓国と中国で同時に活動している。

彼らは来る23〜25日、オリンピック公演体操競技場で初の単独コンサートを控えている。メンバーらは去る11日、中国・上海で開かれた「EXO」のカムバックショーを終えた後、コンサート練習を行うため帰国した。しかし、KRISは一人で中国に残り、韓国には入国していない。そのため、コンサートへの出演も不透明な状態だ。

これについてSMエンタテインメントは「『EXO』の活動が滞りなく進められるようにベストを尽くしていく」とだけコメントしている。

今回の状況を見つめる音楽界は、一様に「残念」という雰囲気だ。

20年間、歌謡界に従事してきた制作者は「外国人メンバーたちの苦痛も理解できるが、所属事務所と本人だけではなくファン、ひいては国家間の信頼問題にも関わる部分であり、慎重な行動が必要だと思う」とし「法律的や制度的な処置を強化して根本的な解決法案を見出さなければならない」と指摘した。

また、他のマネジメント関係者は「K-POPがアジアを超え、ヨーロッパまで広がっていき、一部海外メディアは『韓国が歌手を商品のように開発している』という否定的な記事を掲載している」とし「所属事務所と歌手の葛藤が相次いで発生する場合、K-POPや韓流全体にも悪影響を及ぼすだろう」とし、今回の事態を重く見ている。

2014.05.15