「あれが転機だった」と思える瞬間
軍楽隊員としての経験の一番重要な意義は、アーティストとして音楽の幅を大いに広げたことであろう。
どんなに企画力を発揮したとしても、東方神起としての活動は同じ道を前に向かって突っ走ることである。ひたすら、「まっすぐ」なのだ。
一方、兵役に入って軍楽隊として活動したことは、いわば「しばしの寄り道」をしたようなものだ。
しかし、この「寄り道」に意味がある。見える風景も違うし、出会う人も違う。そこで何を感じるかがアーティストのセンスであり、ユンホも大いに触発されたことだろう。
音楽は人生そのもの。そうであるならば、兵役を通して貴重な経験を積んだ彼の人生が、新しい音楽に向かわないわけがない。
間違いなく、音楽に向ける情熱と努力と発想が変わってくる。
あとで振り返ったときに「あれが転機だった」と思える瞬間が誰の人生にもあるが、ユンホにとってはまさに兵役時代の軍楽隊がそれに相当するのでは……。(ページ4に続く)