【写真追加】「取材レポ」ユナク(超新星)&凰稀かなめ “レディーファーストなユナクは劉邦そのもの!”、項羽と劉邦の間で揺れ動く女の葛藤、国と愛を巡る男の戦いを描いたミュージカル「花・虞美人」が開幕!

開幕前日となる3月25日(土)、プレス向けのプレビュー公演が行われた。

幕が上がると月明かりの中に虞姫(凰稀かなめ)と劉邦(ユナク)。結婚式前夜。2人を見守る家族や村の人たちの楽しそうな様子が明るく躍動感を持って描かれる。そんな場をそっと抜け出した2人だけの時間はどこまでも甘くスイートだ。劉邦はひなげしの花を虞姫に贈り、小さな温かい幸せを誓う。ひなげしは虞美人草の別名だ。
幸せの絶頂であるほど、その後の絶望は深い。時は紀元前221年、史上初めて中国統一を成した秦の始皇帝の時代。虞姫と劉邦の結婚式当日に始皇帝の軍隊がその幸せを奪う。幸せから絶望への落差、凰稀かなめとユナクの感情演技に観客も悲しみの中に投げ込まれる。
そんな虞姫を救い出すのは、始皇帝を討ち取るためにやってきた楚の旗を掲げた項羽軍。プレビュー公演では池田努が演じ、ワイルドさの中に純粋さが垣間見える項羽を熱演。次第に虞姫に惹かれていく心の動きを繊細に表現した。


第一幕、第二幕を通して終始舞台にあるのは白い階段状のシンプルなセットのみ。あるときはすれ違ってしまった虞姫と劉邦の運命を、あるときは劉邦と項羽の男の対立を表わし、シンプルであるがゆえに観る者の想像力はさらにかき立てられる。
また登場人物の華やかな中国の衣装や剣舞のアクションだけでなく、項羽を軍師として支える大澄賢也演じる范増、劉邦と政略結婚した妻・呂雉を演じる高橋由美子ら実力派俳優の骨太な演技からも目が離せない。


二幕ではユナク演じる劉邦の虞姫への想いが溢れ出るシーンがある。「一緒に逃げよう」と虞姫の手を力強く掴む劉邦。優しさの中にある激しい愛にドキッとさせられる場面だ。果たして虞姫は項羽と劉邦、どちらを選ぶのか。
そしてユナクが見どころだと語ったラストシーン。約3時間に及ぶ俳優たちの熱演を通して、喜び悲しみながら物語を共に過ごしてきた観客は、胸が切なく、涙がこぼれる。ミュージカル「花・虞美人」は3月26日〜31日の東京公演に続き、名古屋、大阪でも上演される。壮大な愛の物語の結末を、ぜひ劇場に足を運んで確かめてほしい。

取材:Korepo(KOREAREPORT INC)

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2017.03.26