「コラム」第10回 (最終回)貞明(チョンミョン)公主の生涯『華政』(ファジョン)の主人公

第10回(最終回) 貞明公主の晩年

20歳までの貞明公主は薄氷の上をおそるおそる歩くような日々を過ごした。そんな境遇に耐えたあとは、とてつもない土地を所有する大地主になった。まさに、彼女の人生は波瀾万丈だった。

邪険にされた王女

1603年に生まれた貞明公主は、5歳までは国王の正室が産んだ王女として大切に育てられた。
しかし、1608年に父の14代王・宣祖(ソンジョ)が亡くなった後には、異母兄の光海君によって庶民の身分に降格させられ、西宮(ソグン)に幽閉されて苦難の日々を過ごした。


1623年に仁祖が光海君を王宮から追放すると、母の仁穆王后と一緒に貞明公主の幽閉は解かれ、以後は結婚もして大地主になった。
それなのに、仁穆王后が1632年に世を去ると、仁祖によって邪険にされ、呪詛(じゅそ)の疑いをかけられて二度にわたって処罰されそうになった。(ページ2に続く)

2017.02.19