それにも関わらずいがみ合うのは、お互いのその屈折した偏見を取り除く努力をしてこなかったからではないでしようか。友好、親善と五十年間唱えてきましたが、これからはスローガンや掛け声でなく、お互いの本質を知る努力を積み上げる段階に来たのではないでしょうか。
また、私はこのいがみ合いをネガティブには捉えていません。台風にたとえるなら、「台風は家屋を壊し、川を氾濫させ人々に被害をもたらします」が、川の底辺を床さらいし、問題を浮き彫りにしきれいにする良い面もありますので、この際両国の汚いものは流してしまい、その上に新たな絆が生まれるのではないでしょうか。
今後このようないがみあいが生じたときはフランスの詩人の言葉を思い出しましょう。
名前は忘れてしまいましたが……、
森の中に立っている二本の木はいつも同じ所に立っているからお互いの欠点が目につきがちだが、二本の木が成している森を見るならその欠点はいくばくのものか。(筆者意訳)
世界に目を開きどのように人類のため力を合わせるかを考えるなら小さなことにこだわっている暇はないはずです。
「大きな矛盾を解決するためには小さな矛盾に目をつぶれ」という毛沢東の言葉を思い出します。
文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている? 』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)
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