あらすじ
暴風が吹きつけるある日、海の小さな島の保健所で事務員として働く彼の前に、急性虫垂炎で苦しむ女性が尋ねて来る。陸地に出る船便も切れ、保健所 所長まで陸地に出てしまった状況だった。島で彼女を手術できる人は、彼 一人だけだった。手術室 補助員として働きながら執刀医の向こうで見て独学で学んだ知識はあったが医師免許を持っていなかった。しかし、助けて欲しいと哀願する彼女を前に、ためらう時間も逃げだす時間もなかった。拒否できない選択だけが待っていた。結局、彼は手術を行い彼女は助かった。その日のあの選択によって彼は戻る事ができない運命の旋風の中に落ちていくのだった。 (4ページに続く)