昨年4月よりアミューズ・ミュージックシアターで上演した韓国創作ミュージカルの中から、選りすぐりのナンバーとキャストで構成され『ガラコンサートが』3月25日(火)開催された。
2013年4月に韓国創作ミュージカル「カフェ・イン~愛は偽り?!~」で幕を開けた六本木アミューズ・ミュージカルシアターは、2014年3月までの劇場使用契約満了に伴い、一旦の区切りを迎える。この日行われた“AMTガラコンサート”公演は、多忙なスケジュールの中、韓国創作ミュージカルを代表する俳優たちが集結。記者会見の模様をファンが参加し観覧できるといった、まさにファイナルを飾るにふさわしい豪華な内容となった。
コンサートの幕開けはピアニストのシン・ジェヨンによる生演奏からスタート。演奏が終わり、ステージに登場したのは特別出演のソン・ドゥソプ。『風月主』より「夜の男」を熱唱した後、「2012年、ソウルでの初演にヨル役として公演したが、日本での公演はスケジュールが合わず来られなかったのですが、今回、日本のコンサートに来れてよかった」と“AMTガラコンサート”に対する思いを伝えた。
2曲目はシン・ジェヨンの生演奏と共に、同じく『風月主』から「お前の理由」を披露。曲の中盤から登場した、キム・ジヒョンはそのまま3曲目に『風月主』より「私の顔」を熱唱し、会場を魅了する。
キム・ジェボムとソン・ドゥソプのペアが歌う『風月主』の「酒に酔い見る夢〜君に向う道」や「未来」では、ミュージカルのワンシーンを織り交ぜての演出と二人のハーモニーが会場に響き渡る。曲のラストで二人が抱きしめ合うと拍手と歓声が沸き起こった。
再び、キム・ジヒョンが登場し、『カフェ・イン』より「私の中のカフェ・イン」を歌い上げ、続いて登場する『カフェ・イン』に出演していたキム・ドヒョンの紹介をする。キム・ドヒョンは『シングルズ』より「タバコ」を歌う。1つ1つ言葉に思いを込めるように、マイクを両手に持ちながら深みのある声で熱唱する。歌い終わりに歓声を要求するポーズを見せると、ファンの笑いと歓声が混ざり合いキム・ドヒョンに贈られた。
8曲目、9曲目にはキム・ナムホとカン・インヨンが登場。『僕らのイケメン青果店』の中から「くじらの夢」、「共に旅路を」を演劇を随所に盛り込みながら披露し、会場を賑わせた。
ミュージカル同様休憩を挟み、2部がスタート。『あなたの初恋探します』よりリズミカルな曲「アチャ・アチャ・インディア」の演奏が始まると会場中央から、白パンツに素肌にストライプのベストを羽織ったユク・ヒョンウクが登場。そして会場を一気に笑顔にさせる。続いてステージにはロングベンチが置かれ、座るのはキム・ジヒョンとキム・ジェボム。キム・ジェボムがキュートな仕草でチョコレートを求めるお芝居を披露するなど、二人の可愛らしい演劇はファンの視線を虜にした。そして、『あなたの初恋探します』より「彼の初恋」と「彼女と彼のLOVE THEME」熱唱した。13曲目『恋の駆け引きの誕生』より「噂は風に乗って」をユク・ヒョンウクとカン・インヨンが「釣りソング」をチョン・ソンウが続けて歌い上げる。「ウララソング」ではチョン・ソンウ、ユク・ヒョンウク、カン・インヨンの息の合った演技とハーモニーに会場が一体となり手拍子が起こった。キム・ジェボムとソン・ドゥソプが再びステージに登場すると、『兄弟は勇敢だった』より「俺はお前が嫌いだった」を歌い始める。二人がリズムを腰で取るダンスに、さらに会場は笑顔と手拍子に包まれた。続いて「もう一度」ををキム・ドヒョンが歌い。9月から公演の『女神様が見ている』より「女神様が見ている」をチョン・ソンウ、キム・ナムホが美声を重ねる。「あなたが見てるから」では花束を抱えて演技をするチョン・ソンウの可愛らしい仕草に『女神様が見ている』公演へのファンの期待が高まった。
エンディングは、出演者全員が登場し一気に華やかになる。『僕らのイケメン青果店』より「翼を広げよう」を歌唱し、ユク・ヒョンウクの挨拶で幕が下りるが、会場の拍手と歓声は高まる一向だ。するとすぐさま再び幕が上がり『カフェ・イン』より「LOVE IS」が始まった。「みなさん、私達と一緒に写真を撮ってください」の言葉で、出演者が各自に携帯を取り出し、ファンと一緒に撮影する場面も。『カフェ・イン~愛は偽り?!~』から『僕らのイケメン青果店』までの人気のナンバーをカーテンコール含み21曲を熱唱し、“AMTガラコンサート”は終了。ミュージカルのワンシーンをところどころに織り交ぜた演出は、ファンの心を最初から最後まで掴んで離すことはなかった。
続いて行われた記者会見は、ファンも参加可能といううれしい企画。出演者1人1人からのあいさつでは、「今日は初めて日本に来ることができて、初めて公演をすることができました。また、この機会が与えられる日まで日本で韓国でがんばります」とソン・ドゥソプ。「この舞台は何度も立たせて頂き、まるで我が家のように思っている。お客様の中で何度もお見かけした方もいらっしゃり、とてもうれしい気持ちの中で公演させていただきました」と舞台への思いも語ったキム・ジェボム。「『兄弟は勇敢だった』を公演したとき、次、日本に来られるのはいつか?と思っていたのですが、すぐに来ることができてとてもうれしいです。これからもっと頑張って、日本に来る機会を増やしていきたいと思います」と語ったキム・ドヒョン。「創作ミュージカルの好きな曲とは?」の質問に「『恋の駆け引きの誕生』に出演したとき、音楽監督を勤めさせて頂いたので、そこで作り上げた『ウララソング』が好きです」と答えるシン・ジェヨン。「『女神様が見ている』の曲はどれも素敵ですが、『僕らのイケメン青果店』の『共に旅路を』は歌詞がとても素敵なので好きです」と本日歌った曲をセレクトしたキム・ナムホ。「今回の公演で初めて聴いた『恋の駆け引きの誕生』の『釣りソング』はとても切ない思いの歌で興味を持ちました」と答えたのはカン・インヨン。コメントはまだまだ続く…。ファンは、動画や写真を撮りながら、出演者共にコンサートを含め、約2時間半の時間を楽しんだ。
写真提供:(c)AMUSE
今後、アミューズ・ミュージカルシアターは、六本木から世田谷パブリックシアターへと場所を移動し、引き続き日本を含む世界のミュージカルを披露し続けていく。その第一弾として、日本初公演の創作ミュージカル『女神様が見ている』の公演が9月より行われる。
新しいスペースで、引き続き日本を含む世界のミュージカルやパフォーミングアーツ、才能を感じることができるであろう。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)