<コラム>「JYJ」ユチョン主演ドラマ「スリーデイズ」とオバマ大統領SP

<コラム>「JYJ」ユチョン主演ドラマ「スリーデイズ」とオバマ大統領SP

大統領の警護員(SP、セキュリティー・ポリス)を演じる「JYJ」ユチョン。彼の主演ドラマ「スリーデイズ」(3days)の話だ。韓国では水曜と木曜日の夜、地上波のSBSにて放送されているが、日本でもリアルタイムで話題になっている。日韓K-POP界のトップアイドル「JYJ」ユチョンのブランドパワーと、役柄として格好よいエリート警護員を演じていることが相乗効果になり、日本のファンからも高い関心が寄せられているからだ。

先日、オランダのアムステルダムで開催の「核安全保障サミット」に出席したアメリカのオバマ米大統領。その護衛のため現地に先乗りしていたシークレット警護職員3人が、「勤務怠慢」の理由で大統領到着の前日にアメリカに送り返されていたことがあった。警護員3人は、「勤務開始まで10時間以内の飲酒を禁止する」という規定に違反していたしかも、うち1人は宿泊していたホテルの部屋の前で酔いつぶれていたという。

国のリーダーをテロリストたちの攻撃など様々は脅威から守る精鋭チーム「大統領警護室」の要員たち。トップシークレットな国家業務を遂行する「公務員」の素行とは思えない出来事だ。

一方、同じ時間、韓国では「大統領警護員」をモチーフにしたテレビドラマ「スリーデイズ」が放送されており、視聴率1位を争うほどの話題ぶりをみせている。

休暇を楽しむために別荘にいる大統領。最先端の武器による停電の間、警護員数名が射殺され、大統領は突然行方不明になる。大統領を捜しながら、過去のスキャンダルを暴こうとする勢力に気づくユチョン(JYJ)。事件を追跡する警護員の緊迫したストーリーが展開されるミステリードラマだ。アメリカのドラマ「24 -TWENTY FOUR」の影響も大きいと思われる構成だ。

韓国と言えば、大統領とその最側近の警護員4人が一度射殺されるという世界でも稀な事件を経験している国である。
何を隠そう、現大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が、当時の韓国最高の情報機関「中央情報部」部長によって暗殺された事件の話だ。パク元大統領が自らつくりあげた組織によって暗殺された皮肉な歴史。なお、この「中央情報部」はその後「国家安全企画部」を経て、現在は「国家情報院」に改名されている。

「中央情報部」は「大統領警護処」(大統領府「青瓦台」警護室)とともに、1960年代から1980年代まで続いた韓国の軍事政権を支える国家機密機関として活躍すると同時に、多くの国民からは常に半信半疑の目で見られてきた。1979年に起きたあのパク元大統領の暗殺事件で、ベールに包まれていた彼らの夜の仕事ぶりが明らかになったからだ。当時「中央情報部」の大統領の夜遊びをサポートしていた儀典課長が死刑前の裁判で語った証言などによれば、当時は、月に10回前後の頻度で人気絶頂の女性芸能人やモデルの卵などをキャスティングしては大統領の宴会に調達していたと伝えられている。事件当日も、当時の人気歌手や新人女優が同席していたことは有名な話。参加女性1人当たりのギャラは10万円〜20万円程度だったという。

当然、国家最高の権力者の隣に座る訳なので事前審査も厳しく、最終審査は「警護室長」に委ねられていた模様。元警護室の関係者によれば、宴会場に入る前は秘密厳守や情報漏洩の防止関連の書類への捺印はもちろんのこと、大統領に対するマナーまでチェックされていたという。また、保安上のトラブル防止のため、宴会への参加はどんな女性芸能人であっても「1回限り」というルールや、「大統領から声がかかる前に笑っては行けない」という規則が設けられていたようだ。

韓国近代史に残る経済発展に対する最高の貢献者であり、独裁者でもあったパク元大統領も、噂やスキャンダルは気にしていたようだ。そう、時のヒーローはこうして「一夜限りの遊び」を楽しんでいたのだ。そして、暗殺事件後にも政治家のスキャンダルなどの不祥事は続くことになる。

ドラマ「スリーデイズ」(3days)でも、大統領のスキャンダルを権力に利用する政財界の勢力と、欲望に満ちた人間、そして家族愛や友情や復讐のため、命をかける人間像が描かれている。

現実でも政治家に対する企業が絡んだ金銭スキャンダルが続く今時の日本。未だに政治的な理念に混乱する韓国。大義に苦しむアメリカ。信じるべき現実を疑いながらも、結局は自分の役割や信念を貫く「JYJ」のパク・ユチョン。今こそ、その組織や社会や国に、彼が必要なのかもしれない。

2014.03.30

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