「水割り」、「酎ハイ」など、お酒を薄めて飲むのは韓国では邪道です(最近韓国の若者の間で果実を添えた度数の低いカクテル風の焼酎が人気だそうですが……)。
「ウイスキー」、「焼酎」、中国のアルコール度数五十度を超える「白酒バイチュー」を薄めず、一気に飲み干すのが韓国の酒道です。文字通り「乾杯」そのもので、チビリチビリは韓国人の情緒には合いません。強い酒をとことん飲み交わして相手が酔いつぶれたら、映画やドラマでよく見かけるシーンのように介抱し、おぶって帰るなどの面倒を見ます。そのまま残して帰ったら、後から何を言われるかわかりません。
日本でしたら、相手の動きを見ながら失礼にならないように気を遣い、水割りを少しずつ嗜み決して醜態を見せようとしません。韓国人にとっては、そのような態度は親しくなりたくないように映り、「酔うために、親しくなるために酒を飲むんじゃないの?」と訝しがられます。
韓国で親しくなるとは、「お互いの距離がなくなること」を意味します。「お前の物は俺のもの、俺の物はお前のもの」の関係になります。
イギリスに留学した日本の女子学生から、親しくなった韓国人のルームメイトが断りもなく自分の服を着て出掛けたという話を聞いて、極端な例ではありますが、韓国人のルームメイトには「彼女と私は一心同体」という意識があったと思います。
日本では「親しき仲にも礼儀あり」とある程度距離を置きますのに。
文=権鎔大(ゴンヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大発行/駿河台出版社)
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