北朝鮮映画界に初密着!『シネマパラダイス★ピョンヤン』公開記念“北朝鮮カルチャーショック講座”トークイベント開催!

北朝鮮〈映画〉界で生きる人々の“ちょっぴり本音”が見えるドキュメンタリー

20140317-シネパラ図案

20140317-【シネパラ】ユンミ

公開記念“北朝鮮カルチャーショック講座”トークイベント開催!

第一弾〈北朝鮮ポップス、そこに愛はあるのか?〉

奇妙で不可解な国は知られざる映画王国だった! 〈映画〉が、国家思想を人民に定着させる重要な啓蒙ツールであるという北朝鮮、その映画界に初めて密着した貴重なドキュメンタリー『シネマパラダイス★ピョンヤン』(監督:ジェイムス・ロン、リン・リー)の公開中イベントとして、3月14日(金)、現在上映中の渋谷シアター・イメージフォーラムにて“北朝鮮カルチャーショック講座”と題したトークイベントを実施。

第一回目のテーマは<北朝鮮ポップス、そこに愛はあるのか?>。

ゲストにお迎えしたのは、これまでに3回訪朝し、北朝鮮の歌謡曲に造形が深い著述業・北岡 裕氏。

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まず本作には、女優を目指す女子学生ユンミが自宅のピアノで北朝鮮の歌を弾き語りをするシーンがある。でも監督から歌詞の意味を聞かれたのに、うまく答えられない様子が映し出されるが、その場面について北岡氏は、「北朝鮮において、歌というのは娯楽の材料ではなくて、建築現場や農作業で元気を出すために歌う“称揚歌”としての意味合いがあり、国や労働党の学習の材料でもある。だから、外国の監督から意味を聞かれて、きちんと答えられなかったユンミに、まずビックリした。しかも本作が検閲済みということを考えると、当局がこのやりとりを検閲で通したというところに正直驚きましたね」と興味深い指摘で本作のシーンを解説。

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一方、娯楽性のある歌が全くないわけではなく「例えば口笛(フィパラム)というタイトルの曲は、男女の恋愛に関する歌です。好きな女の子の気を引くために、家の前を通る度に口笛を吹く、という歌詞なのですが、北朝鮮製の自動車にその名がつけられたくらい、誰もがしっている人気歌謡曲」もあるとのこと。

また朝鮮語も堪能な北岡さんは、「北朝鮮にもカラオケがあり、そこに行って北朝鮮の歌謡曲をたくさん歌ったところ、なぜ日本人がこんなに知っているのかとびっくりされ、接待員の女性から大変モテました(笑)」と歌にまつわるエピソードも披露。

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さらにトーク後半は、観客から色々質問が挙がり、北朝鮮で出会った若者の印象について聞かれると「現在、150万台普及しているといわれている携帯電話を持つようになって、北朝鮮の恋愛事情が変わったという話をしている人がいました。直接会って話せないことをメールだったら話せるから、ということらしいのですが、そんな言葉を聞くと、私たち日本人が、携帯電話持ち始めたときと同じような感覚だな、日本の若者と変わらないな、と改めて感じましたね」という、北岡氏ならではの話も飛び出し、本ドキュメンタリーとあわせ、報道ではなかなか知りえない、北朝鮮で生きる人たちの生活が垣間見れる、興味深いトークイベントとなりました。

シアター・イメージフォーラムでは、21日(金・祝)にも朝鮮新報社記者の鄭 茂憲氏を迎えて<北朝鮮カルチャー、若者に未来はあるのか?>トークイベント開催予定!

詳劇場HPhttp://www.imageforum.co.jp/theatre/

 

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【STORY】

2009年、閉ざされた映画王国・北朝鮮の映画界を取材する許可を得たシンガポールのドキュメンタリー映像作家ジェイムスとリンは、ピョンヤンに降り立った。しかし許可は出たものの、案内員の監視付きで、毎日撮影した全ての映像をチェックに出すという制限下での撮影だった。 取材対象はピョンヤン演劇映画大学でスターを夢見る学生や、ヒット作を作ったベテラン映画監督など、まさに将軍様のハリウッドを支える選ばれた人たち。カメラの前で雄弁に“将軍様”への愛を語る一方、2年間に及ぶ長期取材によって見えてきたのは、ダイエットが苦手な女優の卵や、撮影所でエキストラの若者たちの無気力さに声を荒げる監督の姿など、どの国にもあるような風景と“ちょっぴりの本音”だった。

 

『シネマパラダイス★ピョンヤン』

【2012年/シンガポール/朝鮮語・日英字幕/93分

原題:The Great North Korean Picture Show】

監督:ジェイムス・ロン、リン・リー『アキ・ラーの少年たち』

配給:33 BLOCKS

コピーライト:(C)Lianain Films

公式サイト:http://www.cinepara-pyongyang.com/

渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中

 

2014.03.17