「妖婦」らしいのはどっち?
張禧嬪を始めて主人公として取り上げたドラマが、韓国で1995年に放送された『妖婦 張禧嬪』であり、本作は最高視聴率40%を超える大ヒットを記録した。本作で張禧嬪を演じたのがチョン・ソンギョンだ。
ちなみに、韓国での原題は「張禧嬪」だったのだが、後年に同名の別ドラマが制作された影響で、差別化のために「妖婦」という単語が後付けされた。本作を振り返ると、実際には「妖婦」の側面よりも、イム・ホ演じる粛宗との恋物語の要素が強い。
より「妖婦」としての側面が強調されているのが、2002年に放送した『張禧嬪』だ。この作品で、張禧嬪役に扮したのが、韓国を代表する名女優キム・ヘス。類まれなる美貌でチョン・グァンリョル扮する粛宗を翻弄する一方で、敵対者たちを冷酷に排除していく姿は悪女そのもの。本作は、張禧嬪を描いた作品のなかでも一番、史実に近いと言う評価が下されている。
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