「コラム」第2回 追憶の中の韓国紅葉紀行

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慶州のいたるところで古墳群が見られる

郷校のイチョウが見事

古風群のそばには、古い民家が残っていて、韓国の奥座敷に入ってきたような心地よい感覚にとらわれる。

古墳と一緒に古い民家の佇まいを見られるというのは、古都ならではの贅沢だ。

やがて、郷校(ヒャンギョ)がある一角に出た。郷校とは、朝鮮王朝時代に各地に造られたエリート学校である。歴史的な保存建築物であり、堂々とした書堂や情緒的な中庭を見学できる。

中庭には、キムチを漬ける大きなカメが並び、その脇には菊の花が咲いている。

いかにも中世的な光景である。日本の庭は手をかけすぎるきらいがあるが、ここはあるがままという感じだった。

もう一度、郷校の外観を見る。韓屋の塀沿いには競うようにイチョウが植えられていて、韓国風の反り返った瓦と絶妙な調和をかもしだしている。

やはり慶州にはイチョウがよく似合う。

 

(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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2016.09.30