『野王~愛と欲望の果てに~』(以下、『野王』と表記)では、クォン・サンウが極貧生活から脱出して、大統領夫人の座を狙う女性への愛を懸命に貫こうとする男ハリュを演じる。しかし、その愛は、彼女の裏切りによって復讐へと変わっていく。ヒロインは「涙の女王」で知られるスエ。また、本当の愛を知らない大企業の御曹司役として、ユンホ(東方神起)が出演していることでも大きな話題を呼んだ。
一発の銃声で幕を開ける
最愛の女性に裏切られて復讐に燃える男ハリュ(クォン・サンウ)。自らの野望の果てに大統領夫人にまで上りつめた女性ダヘ(スエ)、そして本当の愛を知らない巨大財閥の御曹司ドフン(ユンホ)。
3人の運命が交錯する、哀しくも激しい愛と復讐の物語が『野王』である。
捜査チームのハリュは、青瓦台(大統領官邸)に未曾有の押収捜査に入る。大統領夫人のダヘが、ハリュに銃を向ける。ダヘは、自分の部屋に招き入れたハリュに対して、愛情と裏切り、憎しみと憐みに満ちた切ない涙を流す。やがて、青瓦台に一発の銃声が響き渡ったのだが……。
ハリュの復讐が始まる
大統領官邸の警備は厳重であり、青瓦台への出入りは厳しく制限されている。その中でも大統領夫人の部屋は特別な領域となっている。
過ぎし日に愛し合った2人が対立して、行き違った運命に終わりを告げるべく銃声を響かせる。
振り返れば、ダヘは結局、自分の夢を実現する。一方、彼女のせいで全てを失ったハリュは憎悪の復讐に燃える。
となると、序幕での銃声は何であったのか。
まさに、謎に包まれている。
この作品について、制作関係者は次のように語っている。
「このドラマは正統的な恋愛ドラマの基本的な組立てに、緻密な推理構造が加味されているため、視聴者が簡単に結末を類推するのは難しいはず。イ・ヒミョン作家が多くの反転と伏線を敷いているので、ますます興味深いストーリーになるでしょう」
確かに、二転三転する物語は、とても面白い。
豪華なキャスト陣
財閥二世ペク・ドフンに起用されたユンホは、ヒロインのダヘと運命的な恋に落ちる役を任された。
ドフンは、財閥の会長を父に持ち、何不自由なく成長するが、本当の愛を知らずに育つ。しかし彼は、ダヘと出会うことで初めて愛情というものが芽生え、愛に対する考え方がすっかり変わってしまった。
ダヘに敵意をもつ実姉との複雑な関係に苦しみ、ハリュに嫉妬心を抱くドフン。物語の中でも重要な役どころをユンホが見事に演じている。
また、ペク・ドフンの姉であるペク・ドギョンを演じるのは、『美男<イケメン>ですね』でテギョンの母親役を好演したキム・ソンリョンだ。
ドフンとダヘとの結婚に反対するソンリョン。彼女は、ハリュに熱い思いを抱き、彼の愛情を得たいと心から熱望する。
作中では、キム・ソンリョンの激しい感情をむき出しにする演技も際立っている。さすがの実力派女優というところだろう。
このほか、ハリュが働くホストクラブの客として、クォン・サンウの妻であるソン・テヨンがカメオ出演しているのも見逃せない。
ユンホの演技に注目!
最後にもう一度、ストーリーを見てみよう。
大統領夫人ダヘに買収疑惑が生まれ、大統領府“青瓦台”に検察による家宅捜索が入る。そして、官邸に一発の銃声が響き渡った……。
ときは12年前、装蹄師を目指して牧場で働くハリュが登場する。彼は、弟分の依頼で借金の取り立てに向かう。そこで、7年前に孤児院で一緒に暮らしたダヘと再会する。
美しく成長したダヘとハリュは愛しあうようになる。
しかし、人には決して言えない秘密を持ったまま2人は過ごしていた。
ときは過ぎ、大学生となり就職活動を始めたダヘ。憧れの大企業の面接に行く途中、満員電車の中で大事な靴を片方失くしてしまう。引き返すこともできず、ダヘは裸足のまま面接を終え失意のどん底に陥る。
しかし、失くしたはずの靴を持った男が現れる。それは大企業の若き御曹司、ペク・ドフンだった。
このドフンを演じるユンホの演技がいい。彼が俳優としても一流の演技力を持っていることがよくわかる。ファンにとっても、楽しみなドラマであろう。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
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