「コラム」今後のユチョンが絶対に取るべき態度は何か?

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芸能界には様々な出来事が起こるとしても、今回のユチョンの件は、単なる芸能界の出来事にとどまらない。明らかに、兵役に関連する問題にまで拡散している。それだけに、当のユチョンには慎重な対応が必要になってくる。

 

社会服務要員という立場

まさに連鎖反応と言うべきなのだろうか。

今回のユチョンの問題は、多方面に波及している。とりわけ、社会服務要員の制度に対する疑問点が拡大している。

一般の人から寄せられているのは、「あれほど激しいダンスを披露していたユチョンが、現役兵としての軍務でなく、なぜ社会服務要員として兵役を履行しているのか」という疑問である。

社会服務要員というのは、身体が弱くて軍務に耐えられない人が役所などで勤務している、というイメージが先行している。

しかし、ユチョンには「身体が弱い」という印象がまるでないというのが、彼の社会服務要員に疑問を呈する意見につながっている。

人は見かけによらないものである。ユチョンの場合は、喘息という持病があり、それによって徴兵検査で4級の判定を受けて補充役にまわっているのだ。これは、正当な理由になっている。

 

兵役には公平の原則が不可欠

兵役というのは、韓国の男子にあまねく課せられた義務である。それだけに、「公平の原則」というものが重要である。

兵役を履行中の若者の中には、北朝鮮との軍事境界線の付近で厳しい警戒勤務に明け暮れている人もいる。

そういう若者の母親からすれば、「なぜウチの息子は過酷な軍務に就かされているのに、ユチョンは……」という思いが強くなってくる。

あるいは、訓練中の事故や、軍の中で悲劇的な自殺によって若い命を散らした人たちもいる。彼らの母親にすれば、「同じ兵役でありながら、不公平ではないか」という痛惜の念がどうしても芽生えてくる。

そういう声が、どんどん重なっていって、世の中を動かす世論というものが形成されていくのである。

今、ユチョンに必要なのは、すみやかに心からの反省を表明すること。個人の芸能活動の話は、今や前面に出してはいけない。それは、怒りがおさまらない人たちを刺激するだけだ。

必要なのは、なんの前提もない「心からの謝罪」なのである。

 

反省を形で示す

謝罪をする際には、次の3点が不可欠である。

1つは、「自らの軽率な行動を心から反省している」ということだ。どんな事情があるにしても、兵役中の真夜中に遊興していた事実は逃れようもない。そのことを、何の言い訳もせずに率直に詫びることである。

2つ目は、同じく社会服務要員として勤務している人たちに対して、迷惑をかけたことを謝罪することだ。軍務の代替制度を利用している人たちは、今回のユチョンの問題によって、「きちんと兵役を履行しているのか」という疑いをもたれるケースがあったかもしれない。そのことに関して、ユチョンは責任を感じて詫びるべきである。

3つ目は、反省の態度を今後の行動で示すことだ。

「今後は兵役が終了するまで、夜間の外出は絶対に控えます」

このように声明を発して、区役所の勤務以外では謹慎生活に入ることを明らかにするのである。

以上の3つは、謝罪の重要なポイントになると思われる。

そのうえで、反省を形で示すためにも、髪も短くすることが望ましいだろう。

 

問題をどう沈静化させるか

所属事務所が、ユチョンの謝罪を代弁するといった間接的な方法は絶対に取らないほうがいい。当事者であるユチョンが真摯な姿勢で国民に直接謝罪するという形でないと、彼の反省が他の人たちに伝わらない。このあたりは、やり方を絶対に間違えてはいけないだろう。

ユチョンが謝罪を表明したとしても、問題はこれで終わらない。今度は、彼の意思にかかわらず、社会服務要員の制度に関する論議が社会を賑わすことになりそうだ。

厳しい軍務を終えた人たちの親睦会は、韓国各地にあり、この人たちが強硬な批判を向けてくるかもしれない。それが世論を形成し、国防省が社会服務要員の制度そのものを変更する流れが生まれるかもしれない。

2013年に芸能兵が廃止されたときもそうだった。世論の批判が高まって、国防省も制度の変更をせざるをえなくなったのだ。今回も、社会服務要員の勤務形態を見直す論議が起こる可能性がある。このように、韓国の兵役問題は、1つの出来事を契機にして様々な変化が生じやすいものなのである。

今後の展開は未だ予測できない部分が多いが、とにかく、ユチョンは真摯な反省を示すことによって問題の沈静化をはかることが大前提になるだろう。

 

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文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

2016.06.17