それにしても、『テバク』の視聴率には一喜一憂させられるが、今度のは「喜」のほうである。6月6日にSBSで放送された第21話は、久しぶりに視聴率10%を回復した。クライマックスに向けて、勢いが大いについたことは確かだ。
視聴率の推移
『テバク』の視聴率の変化を見てみよう。
5月30日放送の第19話で7.7%という一番低い視聴率を記録してしまった『テバク』は、5月31日放送の第20話で8.1%とわずかに戻した(数字は韓国ニールセンの全国統計。以下同様)。
そして、注目された6月6日放送の第21話。うれしいことに、『テバク』は10.3%の視聴率を記録し、久しぶりに10%台にカムバックした。
振り返ってみれば、3月28日放送の第1話は11.8%という幸先のいい視聴率でスタートした。これは、SBSの同時間帯の前作である『六龍が飛ぶ』が好視聴率で終わった恩恵を受けた面もあった。
3月29日に放送された第2話は12.3%となり、第1話よりさらに0.4ポイント上昇。『テバク』の快進撃を予測させたのだが、第3話は11.6%と下がり、さらに第4話になると9.5%で10%を切ってしまった。
以後、『テバク』の視聴率は8%~9%を推移していた
確かに恩恵があった
第3話以来、久しぶりに第21話で10%以上の視聴率をあげた『テバク』。第20話より2.2%という大幅アップを記録したが、その要因で一番考えられるのは、ライバル番組が前週に終了したことだ。
そのライバル番組とはKBSが放送した『町の弁護士チョ・ドゥルホ』。パク・シニャンが破天荒な弁護士を演じたこのドラマは後半になるにつれて人気を高め、5月31日放送の第20話(最終回)では17.3%をあげていた。
『テバク』は同時間帯での放送だけに、この『町の弁護士チョ・ドゥルホ』に視聴率のうえで抑えられていたのだが、同ドラマの終了にともなってその視聴者の一部が『テバク』に移ってきたことは間違いない。
なにしろ、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が終わったあとのKBSの月曜の午後10時(6月6日)は歌謡番組だっただけに、ドラマ好きならば、他のチャンネルに移るのは自然の流れだ。
もう1つ、『テバク』には同時間帯に放送されているライバル番組がある。それが、カン・ジファン主演の『モンスター』(MBC)である。
ライバルは完全にしぼられた
視聴率を見ると、『モンスター』も6月6日放送の第21話で、前話の7.7%から10.3%に急上昇している。この『モンスター』も『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が終わった恩恵を受けたわけだ。
同時間帯放送の月火ドラマとしてライバル関係にあった『町の弁護士チョ・ドゥルホ』と『モンスター』と『テバク』。この中で全20話の『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が先に終わり、今度は『モンスター』と『テバク』が直接対決する構図となった。『モンスター』は全50話だけに先が長い。
一方、KBSの後続ドラマは6月20日から放送を始めるチャン・ヒョク主演の新しい作品だ。まだ、放送スタートまで間があるだけに、残り3話の『テバク』にとって、ライバルとなる同時間帯のドラマは『モンスター』しかない。
この両ドラマがくしくも第21話で10.3%という同じ視聴率をあげたことは象徴的ですらある。つまり、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が終わった恩恵を均等に受けたという見方もできるのだ。
まったくの互角となった『テバク』と『モンスター』。本当の勝負はこれからだ。
壮大なクライマックス
韓国では、多くのドラマが終盤になると視聴率が上がる傾向がある。やはり、ドラマで一番盛り上がるのはクライマックスであり、それに向けて視聴者の関心も高まるのだ。特に、人気ドラマの場合には、最終回に最高視聴率をあげるケースが圧倒的に多い。
『テバク』のこれまでの最高視聴率は第2話の12.2%である。10%台の視聴率を回復した『テバク』が、「12.2%」という視聴率を最終回に向けて越えることができるかどうか。
可能性は十分にある。
『テバク』の第1話の冒頭では、テギルと李麟佐(イ・インジャ)が激しく対峙する場面があった。史実では李麟佐が1728年に反乱を起こしており、それを題材にして『テバク』は最大のヤマ場を迎えることになる。
チャン・グンソクが演じるテギルが、民衆を守るために、チョン・グァンリョルが扮する李麟佐にどう立ち向かっていくのか。
壮絶な戦いが繰り広げられるのは間違いない。おそらく、スケールが大きいクライマックスになるだろう。
視聴率だけがすべてではないが、『テバク』にはぜひ、クライマックスに向けて最高視聴率を更新して「有終の美」を飾ってほしい。
文=「ロコレ」編集部
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