「コラム」大ヒットの方程式は「年上女優+年下男優」

460_014_1写真=韓国KBS『太陽の末裔』公式サイトより

韓国で大人気を博した『太陽の末裔』。20話前後のミニシリーズで視聴率が30%を突破したのは、2012年の『太陽を抱く月』以来のことだった。『太陽の末裔』と『太陽を抱く月』。同じく「太陽」がタイトルに入っているが、もう1つ、顕著な特徴がある。それは何だろうか。

見た目でも年齢差がわかる

地上波のテレビでドラマの視聴率がどんどん低くなる中で、『太陽の末裔』が楽々と30%を突破したのは特筆すべきことだった。

これは4年前の『太陽を抱く月』(MBC)以来ということで大きな話題となった。そこで比較してみると、『太陽を抱く月』と『太陽の末裔』という2つのドラマには、年上の女優と年下の男優がカップルになっているという共通点があった。

地上波のテレビでドラマの視聴率がどんどん低くなる中で、『太陽の末裔』が楽々と30%を突破したのは特筆すべきことだった。

これは4年前の『太陽を抱く月』(MBC)以来ということで大きな話題となった。そこで比較してみると、『太陽を抱く月』と『太陽の末裔』という2つのドラマには、年上の女優と年下の男優がカップルになっているという共通点があった。

どのくらいの年齢差があるのか。

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まずは『太陽を抱く月』から見てみよう。

主役男女の場合、キム・スヒョンが1988年2月16日生まれで、ハン・ガインが1982年2月2日生まれである。2人の年齢差はちょうど6歳。見た目でも年齢差がはっきりわかった。

次に『太陽の末裔』の場合。ソン・ヘギョが1982年2月26日生まれで、ソン・ジュンギが1985年9月19日生まれである。年齢差は3歳半。『太陽を抱く月』ほどではないにしても、相応の年齢差があった。

年上女優と年下男優のカップル。日本のドラマではそれほど多くないのだが、韓国のドラマでは意外と多い。特に、大ヒットしたドラマに同じような傾向が見られる。

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年下キラーのハ・ジウォン

かつて『太陽を抱く月』を見ているときに、主役男女の年齢差がかなり気になって仕方がなかった。

というのは、子役を演じたのがヨ・ジングとキム・ユジョンだったが、この場合は男性のほうがずっと年上に見えていたのに、大人になった途端に男性のほうが急に年下になったかのように錯覚したからだ。

それを承知で子役と大人の俳優のキャスティングが行なわれたわけだが、そのことを制作陣に聞いてみると……。

「今の韓国では、20代で安心して主役をまかせられるような女優が少ないんですよ。それで、どうしても20代の男優と30代の女優という組み合わせが多くなってしまうんです」

そういう回答だった。

話を聞いて、妙に納得できる部分があった。

すぐに浮かんだのはハ・ジウォンだ。

彼女の場合、『シークレット・ガーデン』で共演したヒョンビンは4歳下で、『奇皇后』で共演したチ・チャンウクは9歳下である。ここまで年が離れてしまうと、チ・チャンウクも気安く「ヌナ(お姉さん)」と呼べるのかどうか。かなりの敬語を使わなければならないだろう。

かつて王家も姉さん女房が多かった

『太陽の末裔』に主演したソン・ヘギョ。初めて見たのは2000年に制作された『秋の童話』だった。

あれから16年。恋愛ドラマのヒロインをこれほど長く務められるというのは、それだけ人気が持続しているという表れだろう。とにかく、キャリアの長さが目立つ。

一方のソン・ジュンギ。本格的な主演作が少ないせいか、ソン・ヘギョと組むと、格の違いを感じる場合もあった。彼自身の演技はとても良かったのだが……。

このように、日本のドラマを長く見てきた私から見ると、『太陽を抱く月』にしろ『太陽の末裔』にしろ、ちょっとした違和感を感じてしまう。恋愛ドラマの場合は、女優のほうが年下という先入観が働いてしまうからかもしれないが……。

かつて朝鮮王朝時代の世子(セジャ/王の正式な後継者)は、10歳くらいで結婚するのだが、意外と年上の女性が多かった。厳格な儒教を守った当時でも、王家では姉さん女房にそれほど抵抗がなかったのだ。

その風潮が今の韓国社会に残っているのかもしれない。

今度、ハン・ヒョジュが久しぶりに『W』でドラマのヒロインとして登場するが、相手役のイ・ジョンソクは2歳下である。『W』も人気になれば、いよいよ「年上女優+年下男優」の組み合わせがヒットの大前提になるかもしれない。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

2016.05.08