釜山(プサン)には何度も行ったが、「気性が激しい男性が多い」という印象が強く残っている。そのイメージを引きずっていると、2PMのウヨンのプロフィールに「釜山出身」と書いてあるのを見て、一瞬「エッ」と思ってしまう。内面には“激しい情念”を潜ませているのかもしれないが……。
超然とした姿を自然に演じた
2011年に『ドリームハイ』を見ているとき、ウヨンが演じるジェイソンの登場の仕方が謎めいていた。それだけに、余計に存在が気になって仕方がなかった。
その『ドリームハイ』は、2PMの生みの親であるパク・チニョンと同年齢のペ・ヨンジュンが意気投合して制作した作品だった。
2PMからは、テギョンとウヨンが選ばれた。
ウヨンが任されたのは、ダンスと歌に関して天才的な才能を持っているジェイソンの役。彼は優れた能力を持ちながらも特に周りを意識せず、ただダンスと歌を楽しんでいる。超然としたその姿をウヨンは自然体で演じていた。
「素敵な役をいただいたので、かならずいい演技をお見せします」
ウヨンはそう抱負を述べた。
序盤は出番も少なく、サブキャラの1人として認識されていた。しかし、回を重ねるごとにIU(アイユ)が演じるピルスクとのカップルが注目を集め、その相性のよさから「ウユ(牛乳)カップル」と呼ばれるようになった。由来はウヨンの「ウ」とアイユの「ユ」を合わせたものだ。
それほど視聴者に愛されたウヨン。「『ドリームハイ』の功績はウヨンの才能を発見したこと」と言う人も多く現れた。
理想的な“優しさ”
ウヨンは『ドリームハイ』に出演して何を得たのだろうか。
2011年8月にテギョンと一緒に来日したウヨンは、記者会見で『ドリームハイ』についてこう語った。
「初めて台本を見たときは、ダンスが好きという部分が僕と似ているので気楽なところがありました。しかし、ダンスがとても上手くなければいけないというキャラクターでもあったので、少しプレッシャーを感じていました」
「演技は、僕にとって初めての挑戦なので難しかったです。ステージでパフォーマンスをするときも演技が必要なので、そういうところが役に立ちました」
もともと多彩な才能を持っていたウヨン。『ドリームハイ』に出演したことで、演じるというパフォーマンスも磨かれた。
『ドリームハイ』から3年後、バラエティの『私たち結婚しました』でパク・セヨンと仮想夫婦を演じた。愛らしいカップルとして評判を読んだが、そのときのウヨンを見ていて、心がなごんだ人も多いことだろう。韓国の女性から見れば、理想的な“優しさ”をかもしだしていた。
ウヨンの生年月日は1989年4月30日である。今年は27歳になる。仲間のテギョンは来年の兵役入りが予定されているが、そのときにウヨンはどうするのだろうか。
年齢的には2018年まで延期が可能だ。まだしばらくは、私たちもウヨンの才能あふれるパフォーマンスを見ることができそうだ。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)
コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/