日本のメディアでは、「韓流ブームは終わった」という報道がよくある。日韓関係の政治的な悪化にともなって韓流から離れている人が多い、という論調だ。しかし、本当に韓流は終わったのか。もはや、日本でその魅力を失ってしまったのだろうか。
暮らしや文化に親近感がある
そもそも、韓流はすでに「ブーム」ではなく、日本の大衆文化の中で「ジャンル」として定着している。
「ブーム」なら一過性なのだが、「ジャンル」となれば根強い人が支えていて、そう簡単に衰退することはない。
確かに、最近の世相によって韓流から離れた人はいるだろう。
しかし、変わらずに韓流を通して毎日の楽しみを見いだしている人も多い。しかも、K--POPは若いファンを次々に増やしている。そのことはまぎれもない事実だ。
振り返ってみれば、日本と韓国が国交を結んだ1965年当時は、日韓の往来は年間1万人だった。今は飛躍的な数になっている。
政治的な悪化にもかかわらず、両国がこれほど近づいたのは、暮らしや文化に親近感があることも大きい。
世論調査をすれば、今は韓国に親近感を感じる人はそれほど多くないが、韓流の仕事をしていると、「こんなにも韓国ドラマやK-POPが好きな人が多いのか」と心から驚いてしまう。
果たして、世論調査の結果というのは、実態を正しく映しているのだろうか。
変わらぬ情熱と創意工夫が大切
日本は世界に友達がいるのか。
韓国は世界に友達がいるのか。
何も遠くを見る必要はない。すぐとなりに似たような風貌の友人がいるのだ。変わっていく世界の潮流の中で一緒に歩いていけばいい。
その際、相互理解の一助になるのがテレビドラマである。家にいながらにして、その国の生活の隅々まで見られるテレビドラマの影響力は、本当にはかりしれない。
同時に、音楽もとても身近な共通の趣味になれる。K-POPのスターたちは日本語で語りかけてくる。彼らの努力が日本の人たちの感性を動かしている。
ただ、このところ心配なのは、韓国ドラマの内容に偏りが見えることだ。同じような題材の作品が多いし、オリジナルな企画・脚本も不足している。また、K-POPにしても、似たようなグループが次々に出てくる傾向がある。こうした状態が長く続けば、いくら「ジャンル」になったとはいえ、飽きられてしまうのも仕方がない。
韓流が今後も日本の大衆文化の中でしっかり定着するかどうかは、ひとえにテレビドラマの質や、K-POPグループの個性にかかっている。
「絶対に面白いドラマを作る」
「独自の音楽を提供する」
その熱意がアジア中に韓流を定着させた原動力でもあった。
願わくば、韓国のドラマや音楽に携わる1人ひとりが、変わらぬ情熱と創意工夫を持ち続けてくれることを!
(文=「ロコレ」編集部)
コラム提供:ロコレ
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