最終回 彼はキレイな男
ファンイベントを開催
2014年6月14日、ドラマ『キレイな男』の日本初放送を記念したファンイベントが東京国際フォーラムで開催された。
このドラマでチャン・グンソクは、女性なら誰もがこころ惹かれる美男子トッコ・マテを演じた。このマテは10人の女性と出会い、成功のノウハウを学んでいく。そんなマテに一目ぼれして尽くし続けるボトン役がIU(アイユー)だった。
ファンイベントの前日、東京都内に約200人のファンを招いた公開の記者会見が行なわれた。
このとき、チャン・グンソクは「演じた役柄に自分と似ている部分はありましたか」と聞かれてこう答えた。
「本当に性格が似ていたと思います。10人の女性と会うたびに新しいキャラクターを作れたことが、個人的に演技をしていて楽しかったですね」さらに、チャン・グンソクはこう続けた。
「『キレイな男』というドラマを通して、20代のチャン・グンソクらしい姿をお見せできたと思います」 記者会見の最後にはチャン・グンソクが「僕はそんなにきれいですか」と言って、ファンから大きな拍手を受けていた。
どこまでも場を盛り上げてくれるスターである。
翌日のファンイベントは昼夜2回の公演だったが、約1万人の観客が訪れて「チャン・グンソクが作りだす楽しいワールド」に酔いしれた。
様々なゲームで見せるチャン・グンソクの豊かな表情が大いにファンの喝采を浴びていた。まさに、天性のエンタティナーの真骨頂だった。
このステージでチャン・グンソクは挨拶のときに「こんにちは、『キレイな男』の“キレイな男”です」とおどけてみせた。
客席からは笑いと拍手が巻き起こった。
この言葉は、キザにも聞こえるが、チャン・グンソクが言うと妙に納得してしまうから不思議だ。
ファンイベントでおどけた表情を見せる
世界中から贈り物が届く
2014年当時のチャン・グンソクの言葉を集めてみよう。
「僕が考える真の“キレイな男”とは、大きく2つあると思います。1つは、自己管理が上手な人。いろいろな意味があると思いますが、スタイル、外見、中身、自分のスタイルをしっかり持っている人がいいと思います。流行に乗るのではなく、自分だけの哲学がある人ですね。もう1つは、内面的に見えない野望を秘めている人。目を見ればわかりますよね。外見と内面に自分のスタイルがある人で、心に野望を持っている人が“キレイな男”だと思います。つまり、僕のことですね(笑)」
「『キレイな男』の撮影が終わってからは、リラックスしながら自分自身を見つめる時間を持ちました。ドラマから抜け出しながら、もとの生活に戻るために、大切な時間を過ごしました。新しい作品のために、たくさんのシナリオも読みました。考えてみたら、デビュー以来休んだことがほとんどないんですね。ずっと駆け抜けてきたので、しばらくのんびりできるのでないかと思っています」
「僕は子供の頃から子役をやっていたので、学校で話題になりました。教室の前に別のクラスの子や後輩がやってきて話しかけてきたり……。でも、子供の頃は、両親が仕事をしていましたし、一人っ子なので一人でいることが多かったですね。寂しいことも多かったのですが、むしろ好きでした。当時、他の子は『弟か妹を産んでほしい』と親に言いますが、僕は4、5歳の時に『妹や弟が生まれたら、愛情を分けてあげなければならない』とわかっていたので、一人っ子のほうがいいと言いました(笑)。そんな子供だったんですよ」
「大人になって、あんなにいろいろな国にファンの皆さんがいるとは知りませんでした。行ったことがない国から、多くのプレゼントも届きますし、スタッフの食事まで1日も欠かさず用意してくれたりします。とにかく、撮影中にいろいろな国のファンの方々が準備してくれたケータリングが届くんです。アメリカやヨーロッパなど、たくさんの国旗が飾られたり……。イランのものもありました。ロシアのファンはパンを作って送ってくれましたね」
2014年当時のチャン・グンソク
「守備範囲を広げたい」
チャン・グンソクは『キレイな男』に主演したあとに、「『キレイな男』が最後のラブコメになるかもしれません」と語っていた。
「実は、『美男<イケメン>ですね』以降に出演した作品は全部ラブコメでした。20代に一番似合う作品を選んだので、今度は違うものをやってみたいと思います。アクションでも、スリラー、ホラーでも。20代に一番似合うキャラから脱皮して新しいチャン・グンソクを見つけなければなりません」さらに、チャン・グンソクはこう続けた。
「それは僕にとっての宿題だと思います。チャレンジしたいし、守備範囲を広げたいという欲があるのです。今まで、ラブコメのようにシンプルで軽い作品をたくさんやってきたので、今後は重みのあるというか、これまでとは違うものにトライするのが俳優としての野望です」
こう語ったあとに、2年間の空白があった。そして、今年の1月に『テバク』の主演が決まったのである。
そのとき、チャン・グンソクはこう言った。
「2年間大学院に通いながら臥薪嘗胆の姿勢で自分を振り返ってきました」臥薪嘗胆とは「将来のために苦労に耐えること」。この2年間、彼も批判を受けて苦しんできた。
しかし、超話題作『テバク』に主演するという最高のチャンスを得た。
果たして、評価はどうなるか。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
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