ポン・ジュノ監督が緊急来日! 「スノーピアサー」プレミア試写会

ポン・ジュノ監督が緊急来日! 「スノーピアサー」プレミア試写会

斬新な映像、緻密な構成、完璧なストーリーテリング力で見る者を圧倒し、世界がその才能に注目する監督ポン・ジュノ。若き鬼才が初めてインターナショナル・キャストを迎え、英語作品として世界に発信する「スノーピアサー」(原題:雪国列車)がいよいよ2月7日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショーとなる。

本作は2014年7月、地球温暖化を食い止めるために散布された人工冷却物質により、新たな氷河期を迎えた世界で、永久機関をもつ列車、「スノーピアサー」に乗り込んだ人々だけが生き残り、それ以外の生物は絶滅。それから17年後の2031年、前方車両の富裕層によって過酷な支配を受け、後方車両に隔離された貧困層は、平等な社会を、そして人間の尊厳を取り戻すために革命を起こすというストーリー。

本作の公開を記念し、ポン・ジュノ監督が1月29日に緊急来日。プレミア試写会で舞台あいさつを行った。そして今回、映画の主人公・カーティス同様、過酷な芸能界を、前へ前へと走り続け、革命を起こすべく奮闘するリーダー・森脇健児と、森脇を師と仰ぐ団長安田 (安田大サーカス)も参戦した。

「スノーピアサー」プレミア試写会の会場である角川シネマ有楽町には、世界的鬼才の待望の最新作ということで多くの映画ファンが詰めかけ、大盛況。超満員の観客を前に、ポン・ジュノ監督は「こんなにたくさんの方に来ていただいてありがとうございます。これまで韓国以外の多くの国で公開されてきましたが、日本は鉄道マニアが多い国ということで、映画をどう観ていただけるのか楽しみにしています。」とあいさつ。

フランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に選んだことについて、「列車そのものにひかれました。2時間まるまる列車を撮ることができるのは滅多にない機会。その中にいる人たちは富裕層、貧困層とそれぞれいて、彼らが氷河期の中を闘う。それが赤裸々に描かれているのに惹かれました」と、その漫画との出会いが新たな映画を作る動機になったことを明かした。

「ノアの箱舟」というべき列車「スノーピアサー」の中は強烈な格差社会が存在し、前方車両に乗る富裕層から虐げられている後方車両の人々が革命を起こす本作。主人公のカーティスは革命を導くリーダーで、若き“アメリカン・ヒーロー”のクリス・エヴァンスが演じている。起用のきっかけとしては、「彼は『キャプテン・アメリカ』など、筋肉の発達したマッチョな俳優というイメージを持たれていますが、それが全てではありません。シリアスで繊細。そういった映画での姿に加えて、暗く、繊細さも持ち合わせていて、両方が共存しています。今回はそれを見せたいと思いました。」と語った。

またエヴァンスが、ポン・ジュノ監督の代表作のひとつ「殺人の追憶」(03)と「スノーピアサー」にも出演しているアジアを代表する名優ソン・ガンホのファンだったことも影響していたことを明かしてくれた。

カーティスの右腕であるエドガーを演じるのは「リトル・ダンサー」(00)で一躍その名を世界に知らしめたジェイミー・ベル。その起用については、「とても可愛かったからです(笑)」と観客の笑いを取りつつ、「その映画を通じて、皆さん彼の子供時代を知っています。そして、そのことは、『スノーピアサー』を観る上で役に立つんですよ」と、これから映画を観ることになる観客にヒントを与えてくれた。

ここで、“我こそは日本のカーティスとエドガーである!”と名乗る、森脇健児と団長安田がゲストとして登場。いち早く映画を観た森脇は、「この映画大好きですよ!20代で富裕層を経験して、30代で最下層になり、40代になった今はボディーブローを打ち込んでいる…この映画は芸能界の縮図とも言えるんです!」と熱く語る。団長安田は、「カーティスとエドガーの師弟関係が見事に描かれています。僕も森脇さんをずっと後ろで支えてきたんです。」と、それぞれに映画に深く感情移入している模様。

来日を控えた先日、映画公式SNSを通じて監督への質問を募集。代表してそのひとつがMCを通じて監督に投げかけられた。ずばり「『スノーピアサー』続編は考えていますか」。世界中の映画ファンが待ちわびる世界的鬼才の次回作について、「続編が作られてほしいとは思いますが、自分では作らないと思います。でも、パート3であれば作るかもしれませんね」と、世界初!?の続編への言及が監督本人からなされた。

それを聞いた森脇は、「『スノーピアサー3』を撮るならば…土下座だ!土下座しろ団長!!!」と団長安田に指令。ポン・ジュノ監督の前作「TOKYO! <シェイキング東京>」(08)に主演し、監督ともつながりのある香川照之が去年の大ヒットドラマで演じたキャラクターにちなんで、その人物の常套手段が飛び出し、監督も思わぬアピールに驚いていた。

最後にそれぞれからこれから映画を見る観客にメッセージを寄せた。
ポン・ジュノ監督「皆さん、心の準備をして、心の安全ベルトを締めて楽しんでご覧ください」、森脇「虐げられても、諦めなかったら必ずチャンスは来る。それをカーティスから学びました!」、団長安田「僕は監督以上にこの映画が好きかもしれません。」

2014.01.31