人気アイドルグループB.A.Pにとって、空白期は確実に薬になった。
10月15日、4thミニアルバム「MATRIX」を持ってカムバックしたB.A.Pが、最近2ヶ月余りの活動を終了した。タイトル曲「Young、Wild & Free」で、KBS 2TVの「ミュージックバンク」とSBS MTV「THE SHOW」で1位のトロフィーを胸に抱いた。
B.A.Pのカムバックは特別だった。1年9ヶ月ぶりのカムバックステージは、数字以上の意味があったが、存廃危機でいっそう強固になってファンのもとに帰って来たのだ。
当然、本人やファンにとっても特別な感慨となっただろう。去年所属事務所との問題で長いといえば長い空白期を持つようになった彼らが、そのままの姿でステージに立ったこと自体がひとつの奇蹟だといえる。少なくとも歌謡界では前例がなかった事だ。
それほど、涙と笑いとドラマの盛り込まれたアルバムが「MATRIX」だった。長年の空白の末、ステージに上がったメンバーは、涙の代わりに笑顔でファンにあいさつを伝え、過去ではない「現在」を歌った。
ある意味で、アイドルグループが経験する最高の危機を乗り越えた彼らのアルバム「MATRIX」は、青春という大きなテーマでメンバーの姿とよく似ている。痛いから青春だと言うより、青春だから痛みを経験した。そしてその分、成熟した。
青春の彷徨と友情を盛り込んだ「Young、Wild & Free」は、コーラス、ダンス、作詞、スタイリングの全体的なコンセプトまでメンバーが自ら参加してB.A.Pだけのカラーを盛り込んだ。「試練が来ても僕らを阻む事はできない」、「日が暮れて闇が来ても最後まで走ろう」という歌詞が印象的だ。
「Take you there」は、6人のメンバー全員が作詞に参加していっそう意味があるファンソングとなった。彼らがまた帰って来ることができた最大の理由のひとつもファンだ。メンバーは、カムバックショーケースで「会いたかったです」と初のあいさつをして、「旅行もたくさんして、友達にもたくさん会いました。家族たちとも良い時間をたくさん送りましたが、一番沢山したのは何と言ってもBABYを思ったことです。1年半ぶりに会います。休みなく過ごしたあとの休息の中で、それまで出来なかった家族たちとの時間もたくさん持ちました。休息中はこの感じを忘れたようでしたが、久しぶりに立つとやはり本当に良いです」と明らかにした。また「1年半の間、とても大変でしたが、皆さん(ファン)がいたので堪えることができました。こんな経験を通してできたアルバムです」と言った。
収録曲の「Be Happy」は、青春の楽しさと幸せを希望的に表現し、「Young、Wild & Free」とはまた違う魅力と雰囲気を盛り込んだ。「Blind」は、青春の愛と別離に対する曲でファンが挙げるB.A.Pの代表曲だ。
息を整える間メンバーは、一歩前進した。デビュー以来、アルバムごとに作業に参加したリーダーバン・ヨングクは、ニューアルバムのプロデューシングを担当しながらいっそう向上した実力を公開し、グループ内でパフォーマンスを担当しているジョンアプとZELOが華麗なパフォーマンスを誕生させた。空白期を経て「感」や結束力を失うのではないかという心配をすっきりと拭い去った。
放送を通してより大衆に記憶された。先月22日に放送されたMBC「覆面歌王」にボーカルデヒョンが出演し、披露するチャンスがなかった歌唱力も披露した。デヒョンはこの日「ステージがとても懐かしかったです。ステージでとても歌いたかったです。幸せだという言葉よりもっと幸せな感情を表現できる単語があったら良いでしょう。今からがスタートです。期待してください」と言った。
発端、展開、危機を経たB.A.Pが、果してどんな成果を見せてくれるか注目された。結果的により数が増えてその分熾烈になった歌謡界のボーイズグループの中でも確実にアピールし、グループの最高の強みといわれた海外市場での可能性ももっと大きくなった。そして一番重要なことは、B.A.Pの歩みが現在進行形だということだ。