
世界を席巻するK-POP。その影響力は、かつてとは比較できないほど大きくなっている。
「BTS(防弾少年団)」「Stray Kids」「BLACKPINK」「BIGBANG」など、世界規模のファンダムを持つスターたちは今なお圧倒的な存在感を放っている。さらに、新人グループが海外へ進出するまでのスピードも、以前とは比べものにならないほど速くなった。
ところが、そんなK-POPの華やかな成長とは対照的に、韓国の大手芸能事務所に対する株式市場の視線は慎重だ。
なぜ、K-POPは世界中でこれほど盛り上がっているのに、大手芸能事務所の株価はその勢いに乗り切れていないのか。
その背景に浮かび上がっているのが、「BTS」や「Stray Kids」、「BLACKPINK」らに続く“次世代スター”の存在だ。
■世界では絶好調のK-POP、それでも市場が見ているのは“次”
K-POPアーティストの世界的な人気は、数字にもはっきり表れている。
「Stray Kids」は昨年のワールドツアーで1億8,570万ドルの売り上げを記録し、米ビルボード基準で世界のアーティストの中で10位にランクイン。K-POPアーティストとしては最高順位を記録した。
新人グループの海外進出も急速に進んでいる。
YG ENTERTAINMENTの「BABYMONSTER」はデビューからわずか11か月で北米ワールドツアーに進出。HYBEの「CORTIS」も12か月で北米進出を果たした。
かつて新人K-POPグループが欧米市場へ本格的に進出するまでには、数年を要するケースも珍しくなかった。それが今では、デビューから約1年で北米市場に挑戦する時代になっている。
それでも韓国の証券市場では、大手芸能事務所の将来を楽観視する声ばかりではない。
市場が見ているのは、“今どれだけ売れているか”だけではないからだ。
「BTS」「Stray Kids」「BLACKPINK」といった巨大なスターの人気を、この先誰が引き継ぐのか。主力アーティストの活動が減ったとき、その空白を埋められる次世代グループが育っているのか。
今、K-POP大手各社は、まさに“世代交代”という大きな転換点を迎えている。
■HYBE、「BTS」完全体のその先は?
この課題が特に注目されているのがHYBEだ。
今年は「BTS」の完全体での活動再開による効果もあり、過去最高水準の業績が期待されている。
韓国のSK証券は、HYBEの今年の売上高を5兆1,120億ウォン、営業利益を3,018億ウォンと予想。前年と比べ、それぞれ93.2%、504.9%増加すると見込んでいる。
もちろん、「BTS」だけではない。「CORTIS」や「KATSEYE」など、活動歴の浅いアーティストたちの成長も業績拡大につながるとみられている。
しかし、市場が注目しているのは、そのさらに先だ。
「BTS」の来年下半期の活動計画がまだ明らかになっていないことなどから、SK証券は2027年のHYBEの売上高を4兆6,200億ウォンと予想。今年より9.8%減少すると見込んだ。
今年の利益が「BTS」のワールドツアーに大きく依存している点などを考慮し、同証券会社はHYBEに対する投資判断「買い」を維持しながらも、目標株価を35万ウォンから29万ウォンへ引き下げた。
「BTS」が再び世界を席巻することと、HYBEがその先も成長を続けられるかどうかは、必ずしも同じ問題ではない。
だからこそ「CORTIS」や「KATSEYE」など、次の世代がどこまで成長できるかが重要になっている。
“「BTS」の次”を作れるのか――。HYBEにとって大きなテーマの一つとなりそうだ。
■「Stray Kids」が絶好調のJYPにも“次世代”という課題
JYP Entertainmentも状況は似ている。
現在、同社を代表する強力なグローバルIPの一つが「Stray Kids」だ。
新アルバムの初動売上は約330万枚に達し、ワールドツアーもドーム・スタジアム規模へ拡大。世界的なファンダムは成長を続けている。
SK証券は、今年のJYPの売上高を8,665億ウォン、営業利益を1,630億ウォンと予想。それぞれ前年より5.2%、5.0%増加するとみている。
現在の「Stray Kids」の勢いだけを見れば、非常に好調だ。
一方、中長期的な視点では、ここでも“世代交代”が課題として浮かび上がる。
「TWICE」は最近ワールドツアーを終えたことに加え、メンバーの所属状況の変化などから、完全体活動をめぐる不確実性も指摘されている。「Stray Kids」についても、将来的にはメンバーの兵役による活動への影響を避けるのは難しいとみられている。
そこで重要になるのが、「NMIXX」「NEXZ」「KickFlip」など後輩グループの成長だ。
「Stray Kids」をはじめとする主力アーティストの活動が減少する時期に、次世代グループがどこまでその空白を埋められるのか。
今のスターが絶好調だからこそ、その勢いを“次”へどうつなぐのかがJYPの今後を左右するポイントになっている。
■「BLACKPINK」&「BIGBANG」を擁するYGも世代交代へ
YG ENTERTAINMENTにとって、今年は大きな節目が重なる1年だ。
会社設立30周年に加え、「BIGBANG」は20周年、「BLACKPINK」は10周年を迎える。
長年YGを代表してきた大型アーティストの節目が重なり、今年の売上高は6,867億ウォン、営業利益は920億ウォンと、それぞれ前年より25.9%、28.9%増加すると予想されている。
「BIGBANG」のワールドツアーに加え、「BABYMONSTER」や「TREASURE」の成長も業績を押し上げる要因とみられている。
一方で、2027年には主力アーティストの活動空白が予想されている。
SK証券は、YGの2027年の売上高を5,269億ウォン、営業利益を683億ウォンと予想。今年と比べ、それぞれ23%、26%減少するとみている。
そこで期待されているのが、「BABYMONSTER」のさらなる欧米市場進出と、今年9月にデビュー予定の新人ボーイズグループだ。
「BLACKPINK」や「BIGBANG」という世界的なスターを抱えている今のうちに、次の柱をどこまで育てられるのか。
YGもまた、本格的な世代交代の時期を迎えている。
■K-POPが売れているからこそ、“次”へのハードルも高くなる
ここで重要なのは、K-POP市場そのものが縮小しているわけではないということだ。
むしろグローバル市場におけるK-POPの存在感は高まり、新人グループが世界へ進出するスピードも加速している。
それでも大手芸能事務所に厳しい視線が向けられる背景には、「BTS」「Stray Kids」「BLACKPINK」「BIGBANG」といった巨大なIPが、あまりにも大きく成長したという事情がある。
世界ツアー、アルバム販売、広告、グッズ、ファンダムビジネス――。1組のトップグループが生み出す影響力は巨大だ。
だからこそ、そのグループが兵役や契約、個人活動などによって活動ペースを落としたとき、会社全体に与える影響も大きくなる。
トップスターがいるだけではなく、その次、そのまた次まで育て続けられるのか。
K-POPが世界的な産業へ成長した今、芸能事務所に求められているものも変わり始めている。
■「BTS」「Stray Kids」「BLACKPINK」の“次”は生まれるのか
韓国の証券業界では、大手芸能事務所が再び成長への期待を高めるためには、既存のスターのヒットだけではなく、“その次”を証明する必要があるとの見方が出ている。
SK証券のパク・ジュンヒョン研究員もHYBEについて、活動歴の浅いIPが収益構造を変えるとした上で、単一IPへの依存度を緩和するためにも新人IPの確保が必要だと分析している。
YGについても「世代交代の期間」と表現し、2027年には大型IPの活動空白が予定されていると指摘した。
「BTS」の次、「Stray Kids」の次、「BLACKPINK」の次――。
世界的なスターを次々と生み出してきたK-POPだからこそ、今問われているのは、その成功を一過性のものにせず、新しい世代へどうつないでいくかだ。
「CORTIS」「KATSEYE」「NMIXX」「NEXZ」「KickFlip」「BABYMONSTER」、そしてこれからデビューする新人たち。
この中から、先輩たちに続く新たな“メガIP”は誕生するのか。
K-POPの次の時代をめぐる競争は、すでに始まっている。
WOW!Korea提供





