<コラム>キム・ヒョンジュン、4年ぶりの俳優復帰作、男の魅力と日中韓のロマン


<コラム>キム・ヒョンジュン、4年ぶりの俳優復帰作、男の魅力と日中韓のロマン

韓流スターキム・ヒョンジュンの新作ドラマ「感激時代」の制作発表会が韓国で行われた。韓国の国営放送に該当するKBSが、1年6か月にわたって15億円をかけて制作した大作であること。演出はキム・ジョンギュ、脚本はチェ・スンデ。

「KARA」ギュリの励ましの特別公演などもあり、主演を務めるキム・ヒョンジュンは引き締まった表情で抱負を語っていた。

まずは、従来の「アイドル」や「イケメン俳優」のイメージから脱却したいとしながら、放送を間近に控えた現在の心境を述べた。

そして、「撮影当初は15億円という制作費にプレッシャーを感じてストレスになったこともある。心配もあったが、頑張って15億円の期待に応えたいと考えたので、今は楽しくやっている。15億円が良い演技を生むのではなく、頑張ることで初めて15億円の演技ができるようになる。」と、トップスターらしからぬ率直な気持ちを明かしてくれた。

続いて、「今まではソフトな美男子のイメージが強かったが、今回の作品を通じてワイルドな男性美をアピールしたい。撮影が重なるにつれ、より男性的なオーラと男臭い匂いを学んだ。まだ28歳だが、成熟になりつつある自分を感じた。」と話し、俳優業への手応えをみせた。

また、「俳優業から離れている間、『演技とは何か』について色々と考えたし、『演技は演じることではなく、人生を生きることだ』という、ある先輩の言葉も思い出したので、今後も成長していく姿をお見せしたい。このような大作ドラマに出演できたのも、皆さんのお陰だ。長い間、支持してくれた方々に感謝する。」と、ファンへの気持ちも忘れなかった。

ドラマ「感激時代」でキム・ヒョンジュンは、驚異のスピードを持つ強靭なファイター、シン・ジョンテ役を演じる。

人気マンガ家、パン・ハッキ氏の単行本を原作にしたこのドラマは、1930年代における日中韓、三カ国の正義の喧嘩屋たちが繰り広げる愛と友情を描いた歴史ロマン作品である。放送終了したばかりの「きれいな男」の次期作として15日から放送される予定。

2010年のドラマ「イタズラなKiss」以来、4年ぶりとなる俳優復帰作で、進化しつづけるこの韓流スターはどんな演技をみせてくれるのだろうか。

2014年韓国ドラマ界の情勢にも少なからずの影響を与えそうだが、注目したいのは、日中韓の歴史認識の問題。

日本国内でも、過去の戦争に対する様々な意見や思いがあり、韓国や中国でも、帝国主義時代の日本に対して、様々な意見や思いがある。このドラマの主な歴史背景である1930年代は、日本の韓半島(朝鮮半島)に対する植民地支配が安定した時期で、日中戦争を通じて大陸への影響力を増していた時期。

政治や経済の思想としては、資本主義に対する共産主義の攻勢と帝国主義に対する民族主義の攻勢が混ざっていた時期。個人主義や無政府主義、法治や人情、義理や暴力などが、渦巻いていた時期である。現代社会では想像もできない「ロマンの時期」でもある。

韓国版「花より男子〜Boys Over Flowers」以降、日中韓の共通の大スターになっているキム・ヒョンジュン。一つの役柄に過ぎないかも知れないが、このドラマで彼の役が持つ象徴的な意味は大きい。ドラマの背景から80年が過ぎた今の時代は、中国の影響力が増し、日韓や日米韓の同盟が不安感を覚えている時代であるからだ。そして、日中韓の社会に及ぼす大衆文化の影響力は大きくなりつつある時代だからだ。

2014.01.13