時空を超えた切ないロマンスで長年愛されてきたミュージカル「ドラキュラ」が、今シーズンも観客を強烈な感情の渦へと引き込んでいる。
400年以上の歳月の間、ただひとりの女性だけを見つめ続けたドラキュラ伯爵の崇高な愛を描いたこの作品は、張り詰めたサスペンスの中で繰り広げられる登場人物たちの魅力的な関係性と運命的な選択を立体的に描き出した名作だ。
今シーズンも興行の中心にいるのは、やはり俳優キム・ジュンスだ。ミュージカル「ドラキュラ」は数多くの俳優が演じてきたが、観客にとっては今なお「シャキュル(シア・ジュンス+ドラキュラ)」という名前がひとつのジャンルとして通じている。今シーズンもジュンスは、その理由を舞台の上で証明した。
2014年の初演以来、実に12年間にわたって6度目のシーズンまで作品をけん引し、「ドラキュラの匠」としての地位を築いた彼は、今回の舞台で大胆なイメージチェンジを試みた。これまで彼の象徴ともいえるトレードマークだった「赤い髪」を思い切って手放し、深みのある「黒髪」で舞台に立ったのだ。
黒髪に変身したジュンスは、ビジュアル面での新鮮さだけでなく、ドラキュラという人物の本質をより深く描き出した。これまで外へ向かって力強く放っていたエネルギーはそのままに、息づかいやまなざし、孤独な沈黙の一瞬一瞬まで繊細に表現し、人物の内面により深みを与えた。
400年を耐え抜いてきた孤独と渇望、そしてミナに向けた切ない感情の流れは、彼の卓越した緩急のつけ方によって舞台上に生き生きと描き出される。永遠の命の中に閉じ込められた永遠の孤独を表現する彼の涙と演技は、客席を瞬く間に圧倒し、なぜ彼が「唯一無二のレジェンド」と呼ばれるのかを改めて証明している。
舞台上のジュンスは、登場した瞬間から観客の視線を引きつける。圧倒的な歌唱力はもちろん、小さな視線や呼吸、沈黙さえも感情で満たし、ドラキュラの孤独と愛を説得力豊かに描き出す。感情を大きく爆発させる瞬間だけでなく、何も語らず相手を見つめる短いひとときにも、400年という歳月が凝縮されていた。

特に、フランク・ワイルドホーンのナンバーは、ジュンスの歌声と出会うことでさらに大きな響きを生み出している。耳を引きつけるだけでなく、人物の感情をそのまま伝え、作品全体の流れを導いていた。永遠の命を得た一方で、永遠の孤独まで背負うことになった存在の悲しみは、一曲の歌にも、ひとつのまなざしにも、そのまま込められていた。
アクションや舞台での動きも際立っていた。絶えず動き続ける回転舞台を自在に使いこなす安定した舞台での存在感が、ジュンスだけの「ドラキュラ」をさらに完成度の高いものにした。
「ドラキュラ」が長年、多くの人にとって人生最高のミュージカルと語られている理由もここにある。華やかな舞台や音楽だけで完成する作品ではなく、俳優の感情が舞台全体を動かしているからだ。そして今シーズンも、その中心にはジュンスがいた。
一方、ミュージカル「ドラキュラ」は現在、LGアートセンター・ソウル LG SIGNATUREホールで上演中で、チケットはTicket Link、NOLチケット、LGアートセンター・ソウル公式ホームページで予約できる。









