
「愛はどうしてこんなにも難しいのか~♪」
映画「ワイルド・シング」に登場する男女混成グループ“トライアングル”の楽曲が、いま観客の耳に残り続けている。1990年代を思わせるレトロな感性と、一度聴いたら忘れられない中毒性のあるメロディーが話題を集めている。
しかし、この曲を歌っているのは本職の歌手ではない。カン・ドンウォン、オム・テグ、パク・ジヒョンという俳優たちだ。
近年、映画やドラマのキャラクターが作品の枠を超え、実際に音源やミュージックビデオを発表するケースが増えている。俳優が劇中で歌うだけでなく、そのキャラクターのまま現実世界でも活動する流れが広がり、“俳優歌手”とも呼べる新たなトレンドが韓国コンテンツ業界で存在感を高めている。
代表的な例が映画「ワイルド・シング」だ。カン・ドンウォン、オム・テグ、パク・ジヒョンは劇中で1990年代末の男女混成3人組グループ“トライアングル”として登場し、自ら歌唱も担当した。
制作陣は映画公開前から実際の音源やミュージックビデオを公開し、作品への関心を高めた。単なるプロモーションにとどまらず、観客が映画を見る前からキャラクターと音楽を楽しめる仕組みを作り上げたのである。
同じ作品では、オ・ジョンセも劇中のバラード歌手チェ・ソンゴン役として実際に楽曲『君が好き』を発表し、ミュージックビデオまで公開した。映画の中の人物が現実世界でも歌手として活動する構造は、作品の世界観を自然に広げる役割を果たした。

TVINGオリジナル「伝説のキッチン・ソルジャー」では、劇中の架空グループ「味覚ボーイズ」が歌う『My Flavor』が実際にリリースされた。ドラマの中だけに存在していたキャラクターが音楽コンテンツとして再誕生し、ファンの関心を集めた。
視聴者はドラマを見終えた後も楽曲を聴き、関連コンテンツを探しながら作品の世界観を継続的に楽しんでいる。人気の高まりを受け、ドラマの中の架空グループだった「味覚ボーイズ」は、11日に韓国の音楽番組「M COUNTDOWN」への出演も予定されている。
業界では、こうした現象が単発のイベントではなく、ひとつのコンテンツ戦略として定着しつつあるとの見方も出ている。
かつて俳優の音楽活動といえば、OST参加や個人アルバムの発売が中心だった。しかし最近は、劇中キャラクターを維持したまま音源やミュージックビデオ、ショート動画、YouTubeコンテンツなどへと展開するケースが増えている。
ひとつのIP(知的財産)をさまざまな形で活用するOSMU(ワンソース・マルチユース)戦略が、音楽市場と結び付いた形ともいえる。
グローバルヒットを記録したNetflixアニメーション「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」も、その流れを象徴する作品のひとつだ。アン・ヒョソプが声優として参加したことが話題となり、作品への関心が俳優への注目につながった。

作品の人気が俳優への関心を高め、俳優の知名度が再び作品の話題性を押し上げる。そんな相乗効果も生まれている。
業界関係者は、「最近は俳優が歌うこと自体よりも、キャラクターが現実世界でも生き続けることに意味がある」と分析する。
映画やドラマを1回視聴して終わる時代から、音楽やショート動画、SNSコンテンツまで含めて楽しむ時代へと変化する中で、キャラクターの寿命は以前よりはるかに長くなった。
特に若い世代は作品そのものだけでなく、キャラクターや世界観に強く反応する傾向がある。劇中の人物が実際に音源を発表すれば、それは自然にファンの消費行動へとつながる。
制作会社にとってもメリットは大きい。音源やミュージックビデオの公開によって作品の話題を長期間維持できるだけでなく、新たな収益源の確保にもつながる。さらにキャラクターの認知度向上によって、続編やスピンオフなど後続コンテンツの可能性も広がる。
映画、ドラマ、音楽の境界線が少しずつ薄れていく中、“俳優歌手”という現象は単なる話題づくりを超え、新たなコンテンツ戦略として定着しつつあるのかもしれない。
WOW!Korea提供






