“テプン商事の精神=あきらめない”
物語を最後まで貫いたテーマは「諦めなければ必ず成し遂げられる」。
数々の危機に倒れそうになりながらも、テプンは社員たちの“食卓”を守るため、毎晩焼肉を並べてくれた母のため、そして26年間汗を流して会社を育てた父のために再び立ち上がった。
IMFで進学を断念したミソンは商社マンという新たな夢をつかみ、よりよい明日を目指して歩み続けた。ナンモは家が没落しても踏ん張り、汗を流して働き、ミホも客室乗務員採用が取り消されても百貨店のエレベーターガールとして働き、姉に負った心の借りを返したいと努力し続けた。テプン商事の社員たち、ジョンミ、ウルニョ(パク・ソンヨン)もそれぞれの現実と向き合いながら、一日一日を懸命に生き抜いた。そして彼らが最後まで踏ん張れた理由は、いつも傍で支え合う人たちの存在があったからだ。
“生きている90年代”の再現
ドラマが描いた90年代は、単なるレトロ演出ではなく、その時代を生きた人々の温度とロマンをそのまま映し出す作業に近かった。制作陣は1997〜98年のソウル市ウルジロ(乙支路)やプサン(釜山)を美術で精巧に再現し、出退勤ラッシュの1号線、輸出とドルで活気づく港町、テプンとミソンが暮らしたタルトンネの風景など、人と街の息づかいを画面に蘇らせた。
ドラマに象徴的に登場した“花”は、当時の素朴なロマンを最も温かく照らす装置だった。園芸学科出身のテプンが接ぎ木で育てた「カンバラ」や、ミソンとジョンミに手渡された“強い花”コスモス、サプダリ物流のチェ社長(イ・ドギョン)と退職したウルニョに贈られたフリージアなど、小さな励ましと応援の意味が込められていた。さらに、夜逃げした友人ユンソン(ヤン・ビョンヨル)に渡したガーベラは情熱と富を象徴し、タイでミソンに渡したリラワディは「あなたと出会えたことは幸運」というメッセージを宿していた。ユリはミョングァンへの敬意を表す花として登場した。
WOW!Korea提供








