
「一瞬たりとも目が離せない」。スクリーンを突き抜けて客席を圧倒する175分の戦慄。 国境を越えて韓国の劇場まで熱くすることしの冬のマスターピース。 映画「国宝」だ。
「国宝」は人間国宝の境地に上がるためにお互いを飛び越えなければならなかった二人の男の一世一代の物語を描いた作品だ。
イ・サンイル(李相日)監督が演出を引き受けた「国宝」は日本で公開102日ぶりに累積観客数1000万観客を超えた奇跡で目を引いた。 興行収益164億円を稼ぎ、日本列島を揺るがした世紀の興行作となった。 日本で自国の実写映画が1千万観客を超えたのは歴史上今回が2回目だ。 アニメ「劇場版鬼滅の刃:無限星編」に続き、今年の日本公開作2回目の興行記録を保有している。 今年、日本映画代表として来年3月に開かれる米オスカー(アカデミー)候補作に出品され、今年のカンヌ国際映画祭およびプサン(釜山)国際映画祭にも招待され、世界と韓国で大好評を得た。
イ・サンイル監督は在日韓国人で、「フラガール」「悪人」「許されざる者」「怒り」などを披露し、日本映画界を主な舞台として活動してきた。
「国宝」は日本の伝統演劇である「歌舞伎」を素材にした映画だ。 かけがえのない友人だが、歌舞伎の世界で一世一代のライバルだった二人の男、 喜久雄(吉沢亮扮)と俊介(横浜流星扮)、芸術に向けた彼らの執念と狂気を細密な感情線、美しい映像美で表現した。
「国宝」は歌舞伎で女性役を演じる俳優である「女形」の人生を照明した。 イ・サンイル監督が前作「悪人」を終えた後、日本で実際に「女形」として活動する俳優を知り、彼をモデルにした映画を企画し、今の話が誕生した。
すべての人が認めるほど天賦の歌舞伎の才能を持っていたが、嫡統ではなかった喜久雄、日本最高の歌舞伎家の後継者だが喜久雄ほど優れた才能は持っていなかった俊介。 映画は、それぞれ異なる生まれつきの限界を越えて、芸術そのものになろうとした彼らの激しい競争、運命的なすれ違いと再会を経て、ついに最高の舞台を完成する過程を長い呼吸と繊細な演出で描いた。
天賦の才能・心強い背景なしに生き残れない芸術世界の冷静さ、純粋な芸術精神を照明してバイブルになった作品は多い。 「国宝」のあらすじもやはり映画「アマデウス」やドラマ「ジョンニョン:スター誕生」、漫画「ガラスの仮面」など才能を持った天才と努力型エリート間の宿命的競争を解きほぐした色々な作品を一見連想させる。 生まれにかかわらず優れた才能一つで最高の境地になった主人公キクオの設定は「ビリー・エリオット」が浮び上がったりもする。
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