「取材レポ」K-POPアイドル級?! 俳優の枠を超えたイ・ジュンギ 『王の男』20周年を経て紡ぐ幸福と縁の感動ファンミーティング

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ファンミーティングが始まってから約2時間が経とうとする頃、イ・ジュンギは時計を見ながら「(イベントは)何時から始まりました? 普通はファンミーティングの時間は何時間くらいですか?」と尋ねると、司会者に「(普通のファンミーティングなら)今ごろ皆さんは電車に乗っています」と伝えられた。するとイ・ジュンギは誇らしげな笑みを浮かべ、「私のファンミーティングは今から。体力、大丈夫ですか?」と話し、力強くガッツポーズを見せて意気込みを示した。そして、「また会いましょう」と告げ、次のステージの準備のため一度ステージを後にする。続いて、ファンからのリクエストでもあったバンドリーダーのステージが始まり、「Hello & Goodbye」という曲を甘い歌声で披露した。

いよいよファンミーティングは後半戦に突入。ステージがスモークに包まれ、壮大なサウンドが会場いっぱいに響き渡る中、ドラマ「アラムンの剣」の映像が流れ、再登場したイ・ジュンギはドラマOSTの「Chosen One」を力強く歌い上げた。続けて、「『王の男』は今年で20周年ですね」と語ると、会場からは大きな拍手が湧き起こる。映画『王の男』の「イニョン:因縁」のステージでは、切なくも美しいメロディが会場に広がり、“縁=永遠の絆”を思わせるかのように、遠くを見つめながらエモーショナルに歌うイ・ジュンギ。ファンはその繊細な歌声に静かに聴き入り、ジュンギの瞳には涙が光っていた。

優しく繊細な歌声に包まれたあとは、温かみのあるサウンドにのせて「In My Heart」を披露。胸に手を当て、時に目を閉じ、まるで語りかけるように歌う。「♪君のそばにいるよ」と歌うパートでは、客席を眺めながら優しい表情を見せ、そのあふれる愛に、ファンからは「ありがとう!」「サランへ(愛してる)」という声と拍手が送られた。

「♪タッタラ〜タッタ」と歌うイントロから始まる、ドラマ「麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」OST「For You」では、手を左右に揺らしながらマイクを客席に向け、一緒に韓国語の曲を歌い会場全体が一つに。歌い終えると、イ・ジュンギは「『王の男』の曲の時に涙が出すぎて大変でした。どうしても涙が出てしまうので、後ろを向こうと思ったんですけど、うまくいきませんでしたね。楽しむために来てくださったのに泣いてしまいすみませんでした」と正直な気持ちを語った。

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さらに、「実は最近、『王の男』20周年ということでイ・ジュンイク監督とお話をしたのですが、20年にもなるということは信じられませんでした。監督が話をしてくれたのは、『君は問題を起こさなければいい。これ以上立派にならなくてもいい。今でも十分に立派な俳優だから、このままい続けていることを願っている』と言ってくれたんです。でもその時、これ以上立派にならなくてもいいと言われたので、どうしてそんなこと言うんだろうって少し寂しかったんです(笑)」と振り返った。「ステージに立ちながら多くのことを思い出しました。俳優デビューしてから23年ですが、『王の男』でデビューしてから20年です。その間、皆さんとご一緒して本当にたくさんの時間を過ごし、皆さんは僕のことをずっと見守ってくれました。そしてその時間を、あたたかく大切な時間だと思っていることに心から感動しました。そんな思いが溢れて、抑えきれずに涙が出てしまいました」と、マイクを握りしめながら語った。

日本語で「本当にありがとうございます」と心を込めてファンに感謝を伝えると、会場は大きな拍手に包まれた。そして、「みんなのおかげで20周年。お祝いしましょう。おめでとう! コンギルおめでとう!」と祝福の言葉を送り、「今日は久しぶりに涙も流してスッキリしました」と明るく語り、その笑顔に釣られて、ファンも自然と頬を緩ませた。

 

涙を拭ったあとも、楽しい時間は続く。彼は「次の曲は楽しい盛り上がれる曲もありますし、好きな曲もあります。知っている曲があれば一緒に歌って楽しんでもらいたいです」と呼びかけ、米津玄師の「Lemon」を繊細かつ力強く歌い上げた。続いて、映画『君の名は。』の挿入歌であるRADWIMPSの「前前前世」では、エネルギッシュなサウンドにのせて、腕をぐるぐるまわしながら思いっきり楽しむイ・ジュンギ。「難しいね、日本語。本当に大好きな曲です」と水を飲みながら語った彼は、「大好きな単語が“イニョン(縁)”です。運命とか縁とか、このアニメを見ていると胸が熱くなるような気持ちになります。愛の物語ですけど、たくさんのあたたかいことを思い出させてくれて、希望を想像させてくれるアニメだと思います」と真のアニメ愛をのぞかせた。

 

あっという間に時間は過ぎ、ジュンギが「最後の曲は・・・」と口にした瞬間、ファンから「えー」という名残惜しむ声が上がる。「今日どうでしたか? 幸せで楽しくて有意義な時間になりましたか? 僕は皆さんの人生にとって少しでも幸せを届けて、皆さんの人生の永遠になれるような小さな存在になれたらうれしいです。(日本語で)皆さん一緒に幸せな人生をいきましょう」と伝えると、その想いを込めた「FOR US(JP)」のステージが始まった。

「皆さん愛しています」と心からのメッセージを届けながら、あたたかく澄んだ歌声で包み込み、最後にはハートを作って投げキッス。ファンへ愛を送りながら、ステージを後にした。

すでに約3時間に迫ろうかというファンミーティング。まだまだイ・ジュンギと離れたくないファンの熱い思いが、アンコールの拍手となって響き渡った。

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そしてステージにダンサーがスタンバイし、アンコールに応えて戻ったイ・ジュンギは、アップテンポなダンスナンバー「CAN'T BE SLOW」を披露。舞台に火花が散る中、「♪君の声が聞きたい」と歌いかけると、ファンも「Hey!」と声を揃えて応え、会場は一気に盛り上がる。続くJung Kookの「Standing Next to You」のカバーステージでは、キレのある足さばきと滑らかなステップで情熱的なパフォーマンスを見せ、会場の熱気は最高潮に。

ステージを終え、座り込んで息を切らせながらも、「わー!」と満足げに笑うイ・ジュンギ。だが、、すぐに息を整え、ハットをかぶると「どう?」とファンに問いかける。その表情には、“まだまだ見せられるよ”と言う余裕と遊び心がにじむ。客席からは「かっこいい!」の声が飛ぶと、それに応えるかのようにロボットダンスを披露し、再びファンの期待を煽った。

そして、「それじゃ、最後の曲は・・・」とファンの心を少し焦らすように口にすると、名残惜しむ声が上がる。そんな反応にイ・ジュンギはにっこりと笑い、「帰りたくなければ、皆さんが思いっきり遊んでくれないとダメですよね。これからダンスパーティを始めたいと思います」と宣言し、「いきましょー!」の掛け声で会場が沸き立つと、G-DRAGONの「POWER」、「HOME SWEET HOME」、「TOO BAD」といったスタイリッシュかつパワフルな楽曲を次々にカバー。続くPSYの「That That」のイントロが流れるとファンも一緒に「Hey!」と声を上げ、会場の熱気はさらに加速。お祭りムードのまま、ブルーノ・マーズの「Uptown Funk」のカバーステージすると、どこにそんな体力が残っていたのかと驚くほど、エネルギッシュなパフォーマンスで会場のボルテージは最高潮に達した。

 

全身全霊を注いだパフォーマンスを終えると、イ・ジュンギは階段を上って段上がりの中央から、下へと姿を消すようにしゃがみ込み、手を振って退場するふりをするという、茶目っ気たっぷりな仕草で会場の笑いを誘った。「パシフィコ、熱い。エアコン消してるかな?」と呟きつつも、汗を拭いながら終わりの時間へと向かっていった。

「本当に皆さんとお別れする時間です。本当に久しぶりにこうして汗と涙を流し、情熱を注ぎました。皆さんのおかげで充電ができました。皆さんに感謝しています。また、次に会える日まで健康でいて、健康が第一ですよ」と語り、「今まで、皆さんの俳優イジュンギでした」とお辞儀をすると、竹内まりやの「元気を出して」のカバー曲を披露。イ・ジュンギがファンに寄り添い励ますように、優しくあたたかい歌声でファンの心を癒した。

帽子を脱ぎ、幸せそうな笑顔を見せながら「ありがとうございます。めっちゃたくさん、いっぱい楽しみました。みんなが私の家族、私のエネルギーです。最後までどうもありがとうございました。気をつけてね、愛しています」と、ファン一人ひとりに語りかけるように、丁寧に深くお辞儀をしてステージを後にした。

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約3時間半にわたる熱狂と感動のひとときは、イ・ジュンギのファンへの深い愛とプロフェッショナルな姿勢が余すことなく詰まった濃密な一夜となった。心のこもった優しい歌声、回を重ねるごとに磨き上げられるダンス、ファンとの対話に惜しみなく注がれたエネルギー。彼が作り出した空間は、まさに幸福そのものであり、この場を結ぶ“縁”が、ファン一人ひとりの心に深く根づき、永遠に輝き続ける幸福の記憶として刻まれたに違いない。

取材:Korepo(KOREAREPORT INC.)

 

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2025.07.14