「取材レポ」NCT 127 東京ドームで熱狂のフィナーレ! 「8人は永遠」――シズニとの絆を刻む

撮影-田中聖太郎

メンバーが一旦ステージから姿を消すと、ビジョンには物語の続きが映し出される。ミッションを成功させたあと、建物を破壊していく迫力満点の映像が流れると、客席の期待は一気に高まる。その瞬間、ステージには瓦礫が現れ、そこに静かに佇むメンバーの姿が浮かび上がった。ビジョンにヘチャン、マーク、ユウタ、ドヨン、ジョンウ、そしてジャニーの順にクローズアップが映され、ジャニーの「レッツゴー!」の掛け声とともに、「Far」のパフォーマンスがスタート。夢に向かって宇宙をも超えて飛び立つような壮大な世界観の中、ドヨンのパワフルなハイトーンが響き渡り、会場を圧倒。
「英雄;Kick It」では、客席が真っ赤なライトに染まり、ステージには燃え上がるような情熱がほとばしる。激しいダンスの最中にふと見せるメンバーの笑顔に、シズニは思わず悶絶。さらに「Fack Check」では、ユウタが髪を乱しながら激しくパフォーマンスを繰り広げ、シズニの掛け声も音楽すらかき消すほどの熱量に。会場はまさに圧倒的な一体感で包み込まれた。

撮影-田中聖太郎

「叫べー!」というラストの声と共に楽曲が締めくくられると、ファンの声は止むことはなく、自然とアンコールのコールへと変わっていく。そして、ビジョンに客席の様子が映し出され、「シズニになれたことが幸せ」、「8人揃うの待ってるよ」、「東京ドームで8人で会おうね」、「日本デビュー7周年おめでとう」といった温かいメッセージで、会場中が感動に包まれた。
客席が暗転すると、テヨンとジェヒョンも登場する映像が流れ、ステージに再びメンバーが登場。スポットライトに一人ずつ照らし出される中、「Wall to wall」をグルーヴ感たっぷりに披露。その中で、ジョンウがオープニング時のおろした前髪から、わずかに前髪を垂らしたスタイルへと変化。色気を増したその姿に、会場からはどよめきが起こった。パフォーマンスが終わると、ステージ背後のビジョンにメンバーの影が映し出される。そこに映っていたのは6人ではなく、8人の影。姿は見えずとも、確かに8人のNCT 127がそこに存在していた。ファンの胸には、再び8人でステージに立つ日への期待が、確かな希望となって灯った。

終盤戦、熱気をさらに加速させたのは、ブームバップスタイルのクールな空気感が魅力の「WALK」では、シズニも大きな声で歌い、会場は熱気に包まれた。そんなシズニの姿に、ジャニーも「きょうはすごく頑張って歌ってくれましたよね」と嬉しそうに声をかけ、もう一回シズニの声が聞きたいとおかわりをリクエストする一幕も。
その後、ドヨンが「そろそろ本当に最後の時間が来ますよね」と名残惜しそうに語りかけると、場内はしっとりとした空気が流れる。しかし、そんな寂しさを吹き飛ばすように続いたのは、ジェヒョンの映像から始まる「Meaning of Love」。メンバーはトロッコに乗って客席を巡り、サイン入りカラーボールを投げながら、ステージから遠いシズニとも心を交わした。ヘチャンが「皆さーん、大好き」と日本語で叫ぶと、NCT 127の変わらぬ愛が会場全体を包み込んだ。続く「Sunny Road」では、メンバーがジャンプをしながら笑顔で歌い、ファンも一緒に飛び跳ねながら楽しみ、笑顔と愛に満ちた幸せな時間が広がっていた。

撮影-田中聖太郎

最後は、この日の思い出を刻むべく、シズニと一緒に写真撮影をすることに。すると、突然「3、2、1 Now」の合図と共に、客席からシズニの歌声が響き渡る。「♪どこまでもfar away〜」と「Long Slow Distance」を合唱し、日本デビュー7周年を祝うサプライズ演出がスタート。「一生 一緒にいよう ウリチル」というスローガンも掲げられ、感動のムードに包まれた。その思いがけない光景に、ドヨンは「声がすごく綺麗」と感極まり、潤んだ瞳を見せる。感謝と愛に満ちたシズニからのプレゼントに、メンバーも深く心を動かされていた。そして改めて、記念の写真を撮影した後は、それぞれがツアーファイナルを迎えた今の思いを、真摯に言葉で届けていった。
ジャニー
「今回のツアーは本当にたくさんの意味で思い出に残ると思います。もう一回最初から始めるとしたらできるのだろうかという悩みがたくさんあったんですけど、いま僕たちはここに来ていますね。皆さんのおかげです。ありがとうございます。今になって残念だなと思うことがあるとすれば、最初からこういう気持ちで臨めなかったということです。ツアーを一日一日大切に思えば良かったなと、思い出を一つでも多く作れば良かったなという、そんな残念な気持が少しあります。これからでもそんなふうにできるように努力しますので、これからの未来に作っていく思い出に皆さんが一緒にいてくださったら嬉しいです。美しく別れさせてくださってありがとうございます」。
ヘチャン
「まずメンバーに『お疲れ様でした』。今だから言えるのですが、僕たちがこのコンサートの準備のための時間は短かったんです。果たしてできるかどうかと思ったんですけど、できると言ってくれたシズニの皆さんにも感謝しています。NCT 127がまたこうして戻って来られるかはわからないんですけど、それでもまた素敵な姿で戻ってきますので、いい公演で戻ってきますので、少しだけ待っていてください。僕たち6人、そしてジェヒョン兄さん、テヨン兄さんを含めた8人を愛してくださって心から感謝しています。(日本語で)本当にありがとうございます。次にお会いするまで健康で、幸せに過ごしていてください」。
マーク
「一つのツアーを終えることは本当にすごいことですよね。なので、ありがとうという感謝を伝えたいです。そして、改めてメンバーや一緒にこの『MOMENTUM』を作ってくださったスタッフの皆さん、シズニのみなさんに心からありがとうございますという言葉を伝えたいです。昨日から感じていたんですけど、会場の席を一つひとついっぱいにするということは、当たり前のことではありません。それなのに、今日も会場をいっぱいにしてくださって感謝しています。こういうふうに当たり前ではないことをいつも叶えてくださって本当にありがとうございます。そして、きょうは本当に楽しかったです。(日本語で)みなさんも楽しかったですか? (韓国語で)今日はステージって楽しんだなって感じさせてくれたステージだったので、このステージを楽しいだけで終わらせずに、これからも次のステージに続けられるようにしていく僕になります。(日本語で)僕たちの夢を叶えてくれて本当にありがとうございます。僕たちの夢を実現させてくれて本当にありがとうございます。これからも僕たちが見ている夢に皆さんが必ず一緒にいてくれたら嬉しいです。末長くよろしくお願いします」。
ユウタ
「楽しかったかな? 後ろのみんなも楽しかったかな? 短かったといえば短かったし、長かったといえば長かった気もするんですけど、6人でファイナルまで無事に来させてくれたのはみんなのおかげだと思っています。ありがとう。来られないシズニもそうだし、画面で見て楽しんでくれているシズニもそうなんだけど、応援してくれるみんなのおかげで6人で走りきれたと思います。残念なところや惜しいところもあったと思うけど、ファイナルだと悲しい気持ちになったりすると思うんだけど、終わりがあるからこそ新しい挑戦がある。これからまた新しい何かが始まるんだなって期待してくれたらいいなと思います。みんなもみんなの人生を生きてほしいなと思っています。今日来てくださり本当にありがとうございました。そして、メンバーの皆さんお疲れ様です」。
ジョンウ
「皆さん、今日は楽しかったですか? 僕も一つひとつのステージを、これが今回で最後なんだなという思いで臨んだんですけど、みなさんにも気に入っていただけていたら嬉しいです。何よりも、誰一人怪我をせずにこの空間の中で素敵な終わりを迎えられたことがとても嬉しいです。メンバーにもありがとうという言葉を伝えたいと思います。ツアーの最後を東京ドームですることができてとても嬉しいです。平日にも関わらずお一人お一人がこのように会場に来てくれてありがとうございます。ユウタ兄さんが言ったように、終わりがあれば新しい始まりがあるので、僕たちは素敵な音楽で戻ってきます。それまで健康で過ごせますよね。見守っていますよ。きょうは来てくださってありがとうございました。(日本語で)みんな大好きー(ハート)」。
ドヨン
「(日本語で)楽しめましたか? ありがとうございます。もう一度、きょう来てくれて本当に本当にありがとうございます。最後まで一緒にしてくれて本当にありがとうございます。昨日の夜、寝る前に一人で思いましたが、本当に本当に大切な思い出になりました。前のツアーの最後の公演をした時は、僕たちの活動とかステージが想像できなかったですけど、今は僕たちの未来のステージとか活動が心配じゃないです。みんなも僕たちを信じて、僕たちのこれからの活動を期待してください。8人全員でここに戻ってきます。一緒にいてください。最後は韓国語でも話します。(韓国語で)スタッフの皆さんありがとうございました。それからメンバー6人でステージを作ろうと考えた時、とにかく頑張ろうと思ってやってきたんですけど、考えてみたら、この6人でツアーをするのは今日で最後になるという確率が高いですよね。なので、本当にお疲れ様、そしてありがとうと伝えたいです。そして、韓国語で話したいと思った理由は、日本で公演をしていますが、全世界に僕たちのことを見てくださっていらっしゃると思うからです。本当に心配しないでということを伝えたいです。これからもNCT 127は形が違うかもしれませんが、このグループを維持してかっこいいステージを皆さんにお見せするので心配しないでください。そして、この言葉を言ってもいいかわからないんですけど言います。僕たちの会社のSMにも、僕たち8人は永遠なので、心配しないでこれらかも僕たちを推してください」。

撮影-田中聖太郎



NCT 127は「8人でまた戻ってくる」という力強い約束を残し、シズニに安心と希望を届けると、ラストを飾ったのは、愛するシズニへの永遠の想いを込めた「Promise You」。「みんな、ありがとう」と感謝の気持ちを伝え、ドヨンがセンターステージの中央に座り、客席をゆっくりと見渡すと、その姿に、他のメンバーたちも自然と座り、目の前に広がる景色をひとつひとつ心に刻んでいた。
「最後のあいさつです。また会いましょう!」というドヨンの声を合図に、名残を惜しみつつメンバーはステージを後にする。だが、会場の熱は冷めやらない。すると、重厚なサウンド共に映し出される映像。ブラックのライダージャケットを身にまとった金髪の人物がクローズアップされ、振り返った瞬間、ニンマリと笑ったジェヒョンがウィンク。その表情に会場のボルテージは再び最高潮に。
「NCTイリチル!」というシズニの叫びがグリーンのペンライトと共に場内を波打たせると、暗転したステージに「Long Slow Distance」の穏やかなピアノのメロディが流れ始めた。ひとりずつ歌いながらステージへ姿を現したメンバーは、美しいハーモニーで会場を包み込み、そして曲の終わりに全員がステージ中央に集まり、円になって肩を寄せあって抱き合う。シズニから大きな拍手が送られる中、「お疲れ様」と声を掛け合う姿が、世界中を走り回ってきた濃厚な時間を物語っていた。
ドヨンが「本当にお疲れ様でした。最後まで一緒にいてくれてありがとうございます」と語ると、ゆっくりとメインステージへと向かうメンバーの姿がビジョンに映り、6人で無事にファイナルを迎えたことへの「お疲れ様」の拍手が自然と湧き上がった。
「この瞬間を永遠に覚えてください。本当に最後のあいさつをします。ありがとうございました」と深々とお辞儀をすると、「素敵な締めくくりだね。誰も涙を流してないのもかっこいいよね」という言葉に、涙をこらえながらも笑顔を見せたドヨン。そんな彼を、シズニはあたたかな眼差しで見守っていた。やがて、6人が手と手を取り合い、シズニとの別れを惜しみながらステージを後にした。

撮影-田中聖太郎

約3時間に渡って繰り広げられたコンサートは、まさに「シズニと共に作り上げた」特別な時間となり、NCT 127とシズニの絆はさらに強く、深く結ばれたことだろう。次に再び8人で会える日と、誰もが心から待ち望みながら、この絆はこれからもずっと変わることなく続いていく。

取材:Korepo(KOREAREPORTINC.)

2025.06.06