韓国ではボランティアをはじめとした市民活動がとても盛んです。その理由として考えられるのが、儒教的な互助精神と宗教的な信仰心の二つです。それでは、具体的にボランティア活動の中身を見てみましょう。
親の影響も大きい
韓国では今でも儒教思想が根強く残っています。
そうした儒教思想は、礼儀を重んじたり目上の人やお年寄りを大切にしたりするなど、人々の生活の中に深く入り込んでいます。そうした生活規範の中から、ボランティア活動に熱心な人が多く生まれています。
一方、韓国人の約半数は信仰宗教を持っていると言われ、そのほとんどはキリスト教か仏教です。
宗教を持つきっかけとしては、親の影響が大きいようです。幼い頃から両親に連れられて、教会やお寺に通うようになります。
教会やお寺では、ボランティア活動を積極的に勧めるので、そういう慈善活動も自然に身に付いていくのでしょう。
日本と同様に、韓国にもNPO(非営利団体)が存在しますが、その多くが特定の宗教を基盤としています。
そして韓国では、芸能人がNPOの広報大使になることが極めて多いのです。日本の芸能人の場合、ユニセフなど国連機関の広報大使になることはありますが、NPOの活動に参加する人はそれほど多くないようです。
韓国の芸能人は、自分が広報大使となっているNPOを通じて、積極的にボランティア活動をします。
国内であれば、障害を持つ人や虐待に遭った子どもたちを訪ね、自ら料理を作ったり歌や劇を披露して励まします。
また、わざわざ遠い海外に出かけて紛争や自然災害に苦しむ人々を助ける歌手や俳優もいます。
そういう人たちは、テレビのトーク番組に出演する際に、自分のボランティア活動を幅広く紹介します。
これは慈善活動をしている自分をあえてアピールするためではなく、活動を紹介することで広報大使を務めているNPOのことを広く一般の人に知ってもらえるからです。
この点では韓国の芸能人も積極的に動いています。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ