今回の脚本は、「秘密の森~深い闇の向こうに~」でサスペンスの新しい歴史を築いたイ・スヨンが担当。イ・スヨンとどのように話し合いながら作っていったのかを聞かれると、監督は「文章で会話をする方なので、台本そのものにすべてが詰まっていました。それを具現化すると、私たちが考える世界とマッチしないことがあるのですが、どういう意図で書いたのかはわかるけど、それを具現化するにはどうすれば良いのかということについてずいぶん打ち合わせをしました、オープンマインドな方なので、密な打ち合わせをしました」と話した。
近未来を舞台にした撮影について、チュ・ジフンが「僕は全身スーツを着ています。SPの最終面接を受ける前に、僕の身体能力をテストするものがありました。格闘や運転の腕前のようなテストなのですが、全身スーツを着て痛覚を感じられるようにする設定です。100年後ではない近未来なので、全身スーツを着るというのが丸裸になったような気分で、すごく恥ずかしかったです。スーツがタイトで、全身スーツを着て一人でアクション演技をしたのですが、不思議な気分でした」と話すと、司会者に「グリーンスクリーンをバックに演じるのは『神の共に』で慣れているのでは?」と問われ、彼は「『神の共に』では、よりファンタジーだったので、その世界では死神だったので思いっきりできたのですが、今回はSPなので殴られたら本当に殴られたようにリアクションを示さないといけないので照れました」と話した。
CGの演技が多い研究所の話になると、ハン・ヒョジュは「私は代表なので直接スクリーンにタッチする演技はあまりなかったのですが、そばでオン・サンが何もないところに手を伸ばして回したりクリックしているのを見ていたら、大変だなと思いました」と話し、それについてイ・ムセンは「面白かったです。実際、近未来というのは表現するのが難しいと思います。僕たちが見てきたSF映画の場合は、何もない無限な想像力を働かせればいいのですが、近未来の場合は現実にもありそうなBFグループならではの研究所のディテールがきちんと調和をなさないとならないので、細かい作業が求められました。僕はセットでBF研究所の研究道具は観たことないものばかりでした。全部独自制作をしていたので、俳優としては安定感があるといいますか、そういった部分が助かりました」と話した。
キャラクター設定について、ハン・ヒョジュは「ジャユは、最初見た時に善良なのか悪なのかわからないくらいミステリアスな人物になればいいなと思いました。感情を表に出さない人なので、感情が読めない顔の中でどこまで見せるのかについて悩みました。声のトーンなども普段話すよりは声を抑えるような形で変えていきました。枯れた木の葉のようなイメージのキャラクターにしようとしました」と役作りについて語った。
ユン・ジャユと20年来の親友役を演じたイ・ムセンは「ユン・ジャユと20年来の友だちとし、会社の同僚として公私を区分しなければならない難しさがありました。友だちとして話せる線があり、代表に向かって話せる線もあり、培養肉というものは政治、経済、倫理的な問題として扱われるのですが、その中で対立したりサポートしたりする場面が多々出てきます。そんな状況の中でSPが入ることになるのですが、そんな中でイレギュラーなことが重なり、20年来の仲に新しい男が目の前に現れるので、僕は“ナマコ”のように見えないような素早い動きをとらないといけません」と説明し、視聴者の期待感を高めた。
これまでに、映画やドラマでも悪役を演じることが多かったイ・ヒジュン。今回の役柄について、イ・ヒジュンは「悪役だからといって演技が違うとは考えたことはありません。ウジェという役はどういう欲をもっているのか、何で苦しんでいるのかというところからスタートし、作家さんの素材が非常に興味深かったです。誰かがこの技術を作ったら、誰かがこれを支配したがる、たくさん普及されないようにするという争いがとても興味深かったんです。そんな作品に俳優として参加することができてとてもうれしいです」と語った。
「心躍るシーン」については、チュ・ジフンは「台本を読んだときに、私が専門的にすごく深く知っているわけではありませんが、ニュースを見たりすると、浮上する問題があると思うのですが、その中からいろんな楽しみを披露するために作品に参加するわけですが、本作では暗かったり、いろいろ考えさせられたりする要素があります。敷居を低くしてこういう問題を考えてみようという、本作を通して質問を投げかけるきっかけになる作家の話を、面白い話題といろんなことを交えて表現されたのが非常に素晴らしいと考えています」と話した。
ハン・ヒョジュは「本を初めてとったときに、この時期に今できる賢いシナリオだと思い、一気に読みました。読んだ日に、うれしくて日記にも書きました。私にも良い作品が入ってきたということで嬉しかったです。なので、私が心躍った気分になりました」と語り、イ・ムセンは「作品に関連する映像を探しました。作品に入り込むような要素があります。培養肉についても商標化できるような段階にもきていますし、それがもたらすいろんな事件があります。この作品に取り掛かりながら、俳優としてはもちろん人間として倫理的な政治的な経済的な問題について考えるようになった作品なので意義深い作品となりました」と語った。
最後にハン・ヒョジュは「頑張って撮影した作品が明後日公開となります。ご関心と声援をお願いします」と伝え、チュ・ジフンは「面白い作品なので楽しんでいただきたいと思います」とあいさつし、制作発表会は締めくくられた。
取材:Korepo(KOREAREPORT.INC)
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『支配種』
ディズニープラス スターで4月10日(水)より独占配信開始
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(全10話/毎週水曜日2話ずつ配信)
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ストーリー
韓国大統領を狙ったテロで多数の死傷者が出てから数年、元大尉のウ・チェウンは、犯人を追い詰めるため独自の調査を続けていた。そんな中、テロ事件の生存者であるユン・ジャユがCEOを務め、人工培養肉を世界に提供する企業がテロ以降記録的な利益を上げていることを知り、ジャユにボディガードとして近づき、組織に潜入、秘密を暴こうとする。
スタッフ
監督:パク・チョルファン『グリッド』
脚本:イ・スヨン 「秘密の森~深い闇の向こうに~」
キャスト
ウ・チェウン:チュ・ジフン 「キングダム」「宮 -Love in Palace-」
ユン・ジャユ:ハン・ヒョジュ 『ムービング』「トンイ」
ソヌ・ジェ:イ・ヒジュン 「殺人者のパラドックス」「マウス~ある殺人者の系譜~」
オン・サン:イ・ムセン 「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」『マエストラ』
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