「イベントレポ」『TAEMIN SOLO CONCERT : METAMORPH in Japan』開催(オフィシャルライブレポート)

ステージに寝転がった状態からパフォーマンスをスタートさせた「Light」では、TAEMIN自ら手拍子をして、観客を煽る一幕も。日本語での歌唱となった「Famous」では、より観客との距離を縮める。そして、その流れからの「WANT」、「Danger」では、このライブのハイライトの一つとも言える一体感が生まれる。「みんな知ってる曲ですよね、歌いましょう!」とTAEMINが叫ぶと、観客から“イ・テミン”コールが沸き起こり、韓国語でのコールも迷いなく入れていく。その声に応えるように、ダンスブレイクで踊るTAEMINからはより激しく、熱いものが感じられ、さらに観客の声を大きくさせる。これぞアーティストと観客がともに作るライブという空間だと実感させられた。

ダンサーのパフォーマンスを挟んで、後半戦がスタート。衣装をここまでのモノクロベースのものから、全身赤のタイトなスタイルのものへと着替え、TAEMINは再び、宙吊りのステージから登場する。今度は逆さまの状態から正位置に戻ってくるという動きで「Door」を日本語で歌い、徐々に客席側に顔が見えてくると、目隠しをしていることがわかる。曲中でステージの回転が止まると、その目隠しをしたまま踊り出すTAEMIN。2017年に行われた自身初のソロライブとなった武道館公演では、四方八方からロープで拘束されまま踊る姿に息をのんだが、今回のバージョンも強烈な印象を刻んだ。

そこから、ストリングスを使った荘厳なイントロでつないだ「Guilty」では、シャツの中に手を入れて服をまくりながら腹筋を見せていくインパクトのある振付も披露。炎が上がる演出も相まって、スローテンポな曲にも関わらずより会場のボルテージが上昇していく。イントロが一瞬流れただけで大きな歓声が上がった「MOVE」に、『Guilty』の楽曲の中では柔らかな雰囲気も与える「Night Away」、「Blue」と、最新モードも届けて、TAEMINにしかできない世界で構築された本編を締めくくった。

“イ・テミン”“大好き”と繰り返す観客からのコールを受け、「IDEA:理想」でアンコールのステージに戻ってきたTAEMINが、「僕を、また綺麗な言葉で呼んでくれましたね」と微笑むと客席から”大好きー!”という大歓声が送られ、TAEMINも「僕も皆さんが大好き」と軽やかに答えてみせた。
「素敵なこのコンサートは僕だけじゃなく、いろんなスタッフさん達と、ダンサーの皆さんと演出してくれた舞台監督さん、いろんな方達が一緒に準備してくれたから完成できたコンサートだと思います。もちろんファンの皆さんがいるからこそです。皆さんのエネルギー、この雰囲気、この愛、その全部があって完成したと思います。本当にこの3日間楽しかったですし、皆さんと大切な思い出を作ることができて嬉しかったです。これからも皆さんとずっと大切な思い出をTAEMINとして、そしてSHINeeとしても作っていきたいと思います。」と改めて観客に感謝の言葉を伝えた。

客席を笑顔で見つめると、その感謝の気持ちを込めたという日本オリジナル楽曲の「世界で一番愛した人」を歌唱。観客も大きな声を上げてともに歌い、ハンドマイクを握りしめて歌うTAEMINの目には涙がにじんでいるようにも見えた。続けて「I Think Itʼs Love」、「Identity」の2曲を情感豊かに歌い上げ、最後は歌いながらステージのビジョンの間に吸い込まれていくような幻想的な雰囲気で幕を下ろした。

MCでTAEMINは「TAEMINという人を表現したい」と話していたが、まさにTAEMINにしかできないものが詰まっていた。どの曲にも、どの瞬間にも“美しさ”が宿り、力強く荒々しい場面であっても、そこには“美しさ”が貫かれている。ここからまたTAEMINの審美眼によって新たに作られる楽曲、ステージに、否応なしに期待が高まるライブとなった。

撮影:田中聖太郎写真事務所

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2024.03.10