「ミセン-未生-」のイム・シワンと、「昼と夜」のキム・ソリョンが初共演! 人気ウェブ漫画を原作とした「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」は、「コーヒープリンス1号店」「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」のイ・ユンジョンが演出を手がけたヒーリングドラマ。ソウルを離れ、海辺の田舎町で“人生の夏休み”を満喫するヒロインが、図書館で働くシャイな青年と出会い、さまざまな事件を乗り越えながら共に成長していく。心が癒され、やる気や勇気をさりげなく呼び起こしてくれる本作の見どころをご紹介!
ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車を今すぐ降りて、家に引き返したい。無期限であてのない一人旅に出てみたい。あらゆるしがらみを捨てて、新しい場所でやり直したい……誰しも一度くらいはそんな願いを抱いた経験があるのではないだろうか。そのすべてを勢いで実現させたのが、本作「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」のヒロイン、イ・ヨルム(キム・ソリョン)だ。
ヨルムはソウルの大手出版社で働く入社4年目の若手社員。がんばり屋でアイディアも豊富だが、上司のパワハラやセクハラに悩まされ、仕事の手柄まで横取りされてしまう。大学時代から6年付き合っている恋人に明るく愚痴をこぼすが、励ましどころかダメ出しをされ、別れを告げられる羽目に。そんななか、最愛の母を亡くしたヨルムは独りぼっちで深い悲しみに耐えながら、会社と家を往復するだけの日々を繰り返す。
ある朝、ヨルムは電車のホームから満開の桜を目にして、いつしか春が来ていたことに気づき、会社に行くのを
やめて発作的に帰宅。がらがらの下り列車に揺られながら、「人生も同じかもしれない。みんなと逆の方向へ行けば、混み合ってなくて静かで穏やかなのかも」と考える。昼過ぎまでベッドでゴロゴロしてゆっくり休んだ彼女は、怒り心頭で電話をかけてきたチーム長に会社を辞めると宣言。月給 238 万ウォン(約 20 万円)の報酬と引き換えに会社に捧げてきた時間を「これからは自分のためだけに使おう」と決意する。
桜並木や新緑、風の匂い。身も心も自由になった瞬間、ヨルムはこれまで見落としていた風景に向き合う余裕を取り戻す。韓国の各地で撮影された美しい映像や、競争社会からいったん離れて人生の夏休みに突入したヨルム
(韓国語で“夏”の意)のけなげで前向きなエネルギーが胸を打つ。
■ 人目を気にせず、思いどおりに生きる!
ソウルのワンルームを引き払い、リュック一つで旅に出たヨルムは、まったく知り合いのいない海辺の田舎町アンゴクを訪問。地元の不動産会社社長から、ビリヤード場を建物ごと格安で貸すと提案され、すぐに契約を結ぶ。
新しい住所で図書館の会員証を作った後、ヨルムは常連らしき年配客でにぎわう食堂にふらりと入り、店主に怪訝な目で見られながらもスンデクッを注文する。韓国人のソウルフード、スンデクッは、豚の腸詰めが入った豚骨スープのような料理。焼酎のお供としても知られ、劇中のようにご飯を入れてクッパとして食べてもおいしい。店内の誰もが焼酎を飲んでいることに気づいたヨルムは一瞬ためらいつつも、「人目は気にせず思いどおりに生きよう」とチャミスルを注文して昼酒を楽しむ。
本作を演出したイ・ユンジョン監督は、青春ドラマを数多く手がけてきたヒットメーカーだ。本作について「不安で揺れて、エネルギーを持て余した若者の不完全さが好きだ。本作にもそんな人物が登場する。表面上は負け組のようにも見えるが、“何もしたくない”というのはもしかしたら最もアグレッシブな選択なのかもしれない。自分中心で生きていくというヨルムの挑戦に多くのことを考えさせられた」とコメントしている。
「私の国」「昼と夜」などの作品でヒロインを務めてきたキム・ソリョンは、自然体で生きようとするヨルムの魅力を好感度たっぷりに熱演。リアリティを追求するイ監督の指示に従って、会社を辞めた後のシーンは、アイメイクやリップメイクを一切せずに演技に臨んだという。
「一年間は何もしない」と決め、夜は好きなだけ映画を観て、昼は図書館で本を読みながら過ごす気ままな暮らしをスタートしたヨルム。ところが、大家からお小遣いをもらった子どもたちが水鉄砲を抱えて攻め込んできたり(そのうちの一人は「賢い医師生活」のウジュことキム・ジュン!)、シャッターに“出て行け”と恐ろしい落書きをされたり、何やら不穏な空気が漂う。ビリヤード場ではかつて一体何があったのか?しだいに明らかになっていく過去の真実からも目が離せない!
■イム・シワンが口下手でピュアな司書を好演。恋模様にほのぼの
アイドル出身俳優きっての演技派として知られ、好青年からサイコパスに至るまで幅広い役柄をこなしてきたイム・シワン。本作で演じたのは、初対面の女性を前にすると一言もしゃべれなくなってしまうほどシャイなアン・デボム役。天才少年として注目を浴びながら👉ち、大学では物理を研究していたが、現在は図書館の司書としてひっそり暮らしている。初めて図書館に現れたヨルムに不動産屋の位置を聞かれたデボムは、あいまいに微笑むだけで何も答えられず、あとから無言で手書きの地図を手渡す。心優しいデボムはその後も泥酔したヨルムの面倒を見るなど、何かと彼女を気にかけている。自分から積極的に話しかけることはできないが、ヨルムがやってくるのをひそかに楽しみにしているところがかわいい。一人で「また来ましたね」とあいさつの練習をしているが、いざヨルムに👉をかけられると、緊張のあまり噛んでしまう。
本を凍らせて修繕する理由についてヨルムに聞かれ、「紙の主な原料がセルロースだからです。その特性は分子と分子の間に…」と小難しい説明を始めたり、傘を貸してあげようとしたらボロボロだったりと、ひたすら不器用で純粋なデボム。ヨルムと親しくなるにつれて饒舌になり、頼もしくなっていくという変化も見どころだ。
つらい過去の記憶から抜け出せずにいるデボムと、都会で疲れ果てたヨルム。田舎町の図書館で出会った2人は、海辺でジョギングを楽しみながらゆっくりと心の距離を縮め、それぞれに新しい生き方を見出していく。燃え上がるようなラブストーリーとは異なり、駆け引きや計算のない温かな人間関係が築かれていくところがこのドラマの魅力。どうぞお見逃しなく!
(ライター&韓日翻訳者 藤田麗子)
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