韓国tvNで放送中の『エージェントなお仕事』。Netflixで同時配信されているので、日本でも見ている人が多いことだろう。俳優が実名でたくさん出てきて韓国芸能界の実情を伝えてくれるのでとても興味深い。
画像=tvN
イ・ソジンのキャラはダメ男?
『エージェントなお仕事』では、大手芸能事務所「メソッドエンターテインメント」が物語の舞台になっている。
メインの4人のキャラは、理事のマ・テオ(イ・ソジン)、チーム長のキム・ジュンドン(ソ・ヒョヌ)とチョン・ジェイン(クァク・ソニョン)、そして、新人マネージャーのソ・ヒョンジュ(チュ・ヒョニョン)である。
マ・テオが頼もしい主人公になると思ったら、まったく見当違いだった。創業者が急死して会社の存続が危ぶまれたとき、マ・テオが颯爽と大活躍するはずなのに、現実は厳しい。彼は妻から離婚を迫られたりして私生活がズタズタだし、会社の経営でも新しい大株主がでしゃばってきてマ・テオの影が薄くなるばかりだった。
あのイ・ソジンが、困惑させられる表情ばかり見せている。そういう「情けない姿」をさらすところもイ・ソジンの配役として意外性があるのだが、終盤に向けてマ・テオがどのように巻き返すのか、というところも注意深く見ていきたい。
芸能界のエピソードが満載
『エージェントなお仕事』の大きな特徴が、俳優が実名で登場すること。
第3話では、実生活でも姑と嫁になっているキム・スミとソ・ヒョリムがドラマでも実名で登場して姑と嫁を演じた。
しかも、2人が同じ作品で共演するのを敬遠するストーリーになっていた。このあたりは、皮肉がたっぷり込められたエピソードになっていた。
その他にも、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で共演したパク・ホサンとオ・ナラ、『イカゲーム』で濃密なシーンを演じていたホ・ソンテとキム・ジュリョンが、自分が出演した傑作ドラマを彷彿させる展開で、芸能界を描いたドラマらしい場面を演じていた。
さらには、『パラサイト 半地下の家族』で社長夫人を演じたチョ・ヨジョン、『私の名前はキム・サムスン』『春のワルツ』のダニエル・ヘニーなどが実名で登場して『エージェントなお仕事』を大いに盛り上げた。
ドラマの終盤にはどんな俳優が実名で出てくるのか。そのことがとても気になる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)