隠れた名作の発掘…リメイクブーム、「リメンバー」「自白」「時の香り」


26日に公開された映画「リメンバー」と「自白」は"スリラー映画"というジャンルだけではなく、"リメイク映画"だという共通点がある。

2作とも公開日前の25日、前売り率1位と2位を占め、興行対決を予告している。

映画「リメンバー」(監督:イ・イルヒョン)は、家族を皆殺しにした者たちに復讐する80代認知症患者の話を描く。「リメンバー」は2015年に制作されたカナダ・ドイツ映画でホロコーストを題材にした「リメンバー:記憶の殺人者(邦題:手紙は憶えている)」(監督:アトム・エゴヤン)が原作だ。今回公開される「リメンバー」は、物語の背景を韓国に移し、復讐の対象を"ナチス"から"親日派"に変え、原作には無かった協力者を登場させ、単独復讐劇ではなく、バディ形式の復讐劇に変えた。

映画「自白」(監督:ユン・ジョンソク)は、成功した若手実業家が自身に降りかかった殺人容疑を晴らすために、勝率100%の弁護士を選任して繰り広げられる話を描く。この映画は2017年に韓国で公開されたスペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」(監督:オリオル・パウロ)をリメイクした。「自白」は大枠では原作と同様に流れるが、後半に新たな話を加えて差別化を図る。

「リメンバー」と「自白」の原作は韓国ではあまり知られていない作品だ。「リメンバー:記憶の殺人者」は2020年4月に企画展形式で公開されたが、当時は新型コロナ感染症が本格化した時期だったので観客を集められなかった。「インビジブル・ゲスト」は公開当時、マニアたちの間で好評を得たが、約9万人の観客を集めるにとどまった。

映画界のある関係者は「リメイクをする時、原作が有名だと得より損が大きい可能性があって負担になる。そのため作品性や娯楽性がありながら韓国では知られていないヨーロッパなどの見知らぬ文化圏の作品が好まれる」と話した。

先月続編を出した「正直な候補」(監督:チャン・ユジョン)はメキシコ映画を、2018年に公開され500万人以上の観客を動員した「完璧な他人」(監督:イ・ジェギュ)はイタリア映画、「毒戦BELIEVER」(監督:イ・ヘヨン)は香港映画を原作にした作品だ。リメイクした韓国映画の公開とヒットによって原作映画にスポットライトが当たる効果もあった。

専門家たちは海外映画をリメイクする上で重要視すべき要素として、韓国的な状況や情緒に合わせて変える"現地化作業"だけでなく"同時代性"を挙げる。それが再び手を出す理由だという。

ユン・ソンウン映画評論家は「原作が検証されたとしてもリメイク作品が成功する確率は半分程度だ。重要なのは、今の時代の私たちにこの映画がなぜ必要なのか、大衆の心を動かし共感を得ることができるのかが答えだ」と言う。

来る11月には映画「時の香り~リメンバー・ミー~(原題:同感)」(監督:ソ・ウンヨン)が、「リメンバー」と「自白」のバトンを受け継ぐ。「時の香り」は2000年に公開されたキム・ハヌルとユ・ジテのファンタジーロマンス映画「同感」をリメイクした作品だ。来月16日に公開する「時の香り」は、1999年と2022年という異なる時間帯を生きている2人の男女のラブストーリーで、ヨ・ジングとチョ・イヒョンの主演で生まれ変わり、観客との出会いを待っている。

WOW!Korea提供

2022.10.26