「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.237「いよいよ終盤!『哲仁王后』」

テレビ東京の韓流プレミアで9月9日から放送されている『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は、10月14日に第25話がオンエアされた。全30話なので、残りはあと5話。いよいよ終盤を迎えてきた。
画像=tvN

想像を絶する可笑しさ

『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は、韓国のtvNで2020年12月から2021年2月にかけて放送されたドラマで、視聴率は20%を越えて大人気を獲得した。
設定が奇抜だった。現代の大統領官邸のシェフが嫌疑をかけられて逃亡する最中にプールに転落。どういうわけか朝鮮王朝時代の王妃の身体に魂が入り込んでしまう、というストーリーだった。
演出したのは、『花郎(ファラン)』で評価を高めユン・ソンシク監督。才能ある人が、存分に演出力が生きた傑作を世に送り出した。
主人公カップルは「高視聴率の女王」のシン・ヘソンと、『愛の不時着』で人気を集めたキム・ジョンヒョン。注目の2人が、哲仁(チョリン)王后と国王の哲宗(チョルジョン)を演じていた。
とにかく、シン・ヘソンが扮する王妃の飛びぬけた言動は捧腹絶倒だ。
実際、現代の男性が朝鮮王朝時代の王妃に変身するのだから、態度が尋常になるわけがないのだが、それにしても、シン・ヘソンが演じると想像を絶する可笑しさになる。一番愉快だったのが、王宮内を逃げ回る王妃と追いかける女官たちのドタバタ騒動。笑いをこらえるのが無理なほどテンションが上がった。

哲宗の動向

序盤から快調に物語が進んだ『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』も、終盤になってくると、展開が急ピッチで動いていく。
果たして、シェフの魂は無事に現代に戻れるのか。
そして、王妃は普段の自分を取り戻せるのか。
さらに注目に値するのが哲宗の動向だ。
この国王も歴史では「無能で酒と女で身を滅ぼす」とされていたが、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』での彼は正しい政治をめざす有能な人物として描かれていた。しかし、大王大妃(テワンテビ)や悪徳高官の妨害を受けて大衆のための善政ができない状況に追い込まれてしまった。
そんな彼がどんなふうに奮起していくのか。
本当に、終盤は気になる展開のオンパレードだ。
まだ間に合うので、ぜひ終盤の『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』を見てみよう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.10.15