『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、パク・ウンビンの演技力が素晴らしい。指先から視線に至るまで、からだ全体での表現が決してわざとらしくもなく、ふんわりと心が癒される。私の心に残る韓国ドラマの一作になった。
ヨンウの世界に誰もが引き込まれる
パク・ウンビンは、自閉スペクトラム症の弁護士ウ・ヨンウを演じている。
ウ・ヨンウは、新人弁護士として法律事務所ハンバダで働き始める。
難題にぶつかっても天才的なひらめきで、次から次へと言葉が筋道を立てて湧いてくる。
ヨンウの上司であるチョン・ミョンシク(カン・ギヨン)シニア弁護士は、最初こそヨンウの言動に戸惑いを見せたが、頼りがいのある温かい人柄で、ヨンウを支えていく。
カン・ギヨンは『キム秘書はいったい、なぜ?』で、パク・ソジュン演じるイ・ヨンジュンの親友を好演していた。ヨンジュンのストレス発散の聞き役として、また違った魅力を発揮していた。
また、ヨンウは同僚に恵まれている。それはこのドラマを見る私たちにとっても、嬉しいことだ。
そして、ヨンウの好きな物はクジラと父親が作るキンパだ。
クジラの話を始めたら止まらない。
そのクジラの話を聞いてくれる同僚がいる。イ・ジュノ(カン・テオ)だ。優しい眼差しで微笑みながら黙って聞いてくれる。
もしかして、ヨンウに好意を持っている?
ある時、ジュノと事件の参考人の所に向かう途中、嘘の見抜き方の練習として、ヨンウが質問をした。
「イ・ジュノはウ・ヨンウが好き。本当ですか」と。
その時のジュノの困惑する顔。
思わず練習を忘れて「はい!」と返事をしてしまうのではないかと、ニンマリしてしまった。
この先、二人の関係がどう発展していくのか楽しみだ。
ヨンウは自分が自閉スペクトラム症ということをきちんと理解している
こんな場面があった。
ヨンウのロースクールの同期のチェ・スヨン(ハ・ユンギョン)とのやりとりだ。
スヨンがヨンウに「あなたはジュノさんを好きなの?」と聞くと、ヨンウがこう言った。
「簡単じゃない。誰かが私を好きになるのは簡単じゃない」
「それくらい分かる。あなたは美女で私は自閉症でしょ」
思わずスヨンが涙を我慢して、「そんな弱気なこと言わないで」と言う。
なんとも切なく涙がこぼれる場面だった。
それにしてもパク・ウンビンはすごい。
ヨンウが早口で法律用語やクジラの生態を息もつかぬ勢いで話すのだが、その台詞の長いこと!
膨大な台詞を暗記するのもすごいが、話している時の指先、視線、立ち方など全てが完璧で、その演技力に驚かされる。
このドラマは、ヨンウの魅力がたくさん詰まった心温まるドラマになっている。
この先、ヨンウが弁護士として、女性としてどのように成長していくのか楽しみだ。
文=須坂のりこ
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