「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.220「放送が終わった『私たちのブルース』」

4月2日から韓国tvNで放送されてきた『私たちのブルース』が、6月12日で終わった。ネットフリックスで同時配信されていたので、日本でも見た人が多いと思われるが、本当にスケールが大きいオムニバス形式の人生ドラマだった。
画像提供=tvN

圧巻の演技

ドラマ『私たちのブルース』は、韓国最南端の孤島である済州島(チェジュド)が舞台になっていた。
私の両親の故郷であるだけに、風光明媚な景色や人々の方言などが本当に印象的だったが、特に海に寄り添って生きている人々の暮らしぶりがとても興味深かった。
その中で、オムニバス形式の2話単位で様々な登場人物たちが躍動していた。
個人的に気に入っていたのは、「銀行支店長チェ・ハンス(チャ・スンウォン)と海産物店主チョン・ウニ(イ・ジョンウン)の初恋物語」や「海女および酒場ママのイ・ヨンオク(ハン・ジミン)と船長パク・ジョンジュン(キム・ウビン)の恋愛の行方」などのストーリーだった。
そして、最後にイ・ビョンホンとキム・ヘジャが恐ろしいほど素晴らしい演技を披露してくれた「親子葛藤物語」も圧巻だった。
特にイ・ビョンホンは、数多くの名作で主人公を演じてきたが、今回の『私たちのブルース』ではさらに新たな俳優魂を見せてくれた。

最優秀キャストは?

『私たちのブルース』では、今まで見たことがないような大物俳優の共演が大きな話題になったが、そんな豪華キャストを束ねたのが、脚本家のノ・ヒギョンだった。本当に素晴らしい物語の数々を創作していた。
そのすべての物語に関わって今回の「最優秀キャスト」と言えたのが、イ・ジョンウンが演じたウニであった。
彼女は登場人物たちと深く関わって、まるで親戚のように心配して世話を焼いていた。どんなに悲しい局面であっても、ウニが出てくるだけで「大丈夫だ」と思わせてくれる安心感があった。
まさに、彼女こそが『私たちのブルース』の一番の主人公であったかもしれない。
こうして『私たちのブルース』が終わった。
次はどんなドラマを見ればいいのか。
これだけの名作を堪能した後には虚脱感が残り、次に楽しむドラマの心配をしなければならない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.06.18