王族女性が着た唐衣(タンイ)
〔唐衣(タンイ)/王族女性用〕
唐衣は、一応は儀礼用の服装である。
しかし、王族女性は日常的に唐衣を着ていた。
なぜなら、王宮内では目上の人に会うことが多いので、失礼にならないように儀礼用の服装を常用していたのだ。
なお、王族女性は唐衣に金の文様を使うことを許されていた。それだけ、衣装が絢爛豪華に見えた。
また、補(ポ)と呼ばれた丸い刺繍を胸、肩、背中に付けていた。
この補は、王妃の場合は龍や鳳凰がよく使われ、王女ならば花の文様が多かった。
そして、唐衣というと、特徴的なのが前の部分が長く垂れていることだ。この中に両手を隠すのが、高貴な女性の身だしなみだった。
なぜなら、朝鮮王朝の国教になっていた儒教の倫理観では、女性が素肌を出すことが敬遠される傾向にあったからだ。
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