自然美の極致
昌徳宮は、自然と調和するように各施設が配置されていることでもよく知られます。中でも、木々の緑に囲まれた秘苑(ピウォン)は、“朝鮮王朝時代の自然美の極致”と称されます。
実際、もとの地形がそのまま生かされており、秘苑に行くと、自然を大切にしていた朝鮮王朝時代の美意識がはっきりと伝わってくるのです。
また、昌徳宮は朝鮮王朝の最後を見届けています。
実は、朝鮮王朝最後の王であった27代王・純宗(スンジョン)が1910年に王位を失った後、最期まで暮らしたのが昌徳宮なのです。1997年には、ユネスコの世界文化遺産に指定されています。
文=康 熙奉(カン ヒボン)