パク・ソジュンが主演したドラマならば、今も鮮明に記憶に残るのが、『キム秘書はいったい、なぜ?』と『梨泰院クラス』だ。この二つのドラマでパク・ソジュンはどのように演じ分けたのか。
二つのキャラクター
『キム秘書はいったい、なぜ?』でパク・ソジュンは、ルックスも仕事ぶりも完璧なカリスマ経営者のヨンジュンを演じていた。
しかし、長く仕えたキム秘書(パク・ミニョン)が辞めると言い出したとたんに、そのカリスマぶりがガタガタと崩れてしまう。そのように、落差を感じさせるコミカルさもドラマの面白さに結びついていた。
一方、『梨泰院クラス』はまるで違った。落差もなければ、コミカルでもない。まさに、パク・ソジュンは頭を短く刈り上げて突っ走る男を演じている。
その主人公の名はパク・セロイだ。
彼は、妥協できずに高校を中退した後、暴力事件まで起こして奈落の底に沈んだままだった。しかし、初恋の人がいるという話を聞いて梨泰院(イテウォン)にやってきた。ここは、多国籍でエネルギッシュな街だ。
この街で自由な雰囲気を感じたパク・セロイは、壮大な野望を持つ。「ソウルの代表的な繁華街である梨泰院を自分の街にしてみせる」という意気込みなのだ。
彼は決心する。
「簡単に生きちゃいけない。難しい人生ほどいいんだ」
まさに、それだけの覚悟があればどんな苦難にも立ち向かっていける。
そんな一途な男がパク・セロイだ。
『キム秘書はいったい、なぜ?』で演じたカリスマ経営者から『梨泰院クラス』のパク・セロイへ……。
あまりにも演じるキャラクターが違いすぎるが、パク・ソジュンは多様な表現力で両ドラマをともに輝かせた。やはり、彼の演技力は称賛に値する。
文=「ロコレ」編集部
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コラム提供:ロコレ