最新主演ドラマ「キルミーヒールミー(原題)」で多重人格者という難しい役どころに挑戦した人気俳優チソンが、4月17日(金)の大阪公演に続き、4月19日(日)東京・ラフォーレミュージアム六本木にて「チソンファンミーティングin TOKYO」を開催した。
多くの主演ドラマで実力を発揮してきた正統派二枚目俳優のチソン。
ドラマ「ロイヤルファミリー」では悲しい過去を持つエリート検事役を、「ボスを守れ」では初のロマンティックコメディに挑戦し、最新主演作「キルミーヒールミー」では七重人格という難役に果敢にチャレンジ、その演技力で高い評価を得た。
円熟味を増してより一段と魅力アップしたチソンに会おうと、会場には全国各地から大勢のファンが詰めかけた。客席の明かりが消え、会場後方の扉が大きく開く。
シンプルなブラックの衣装でチソンが姿を見せると、大歓声の中、ファン一人一人と目を合わせるかのようにゆっくり歩いてステージへ。
可愛らしいアニメーション映像をバックに「L-O-V-E」を笑顔で歌うと、ファンも手拍子で応じた。
「お久しぶりです、皆さまのチソンです。お会いできてうれしいです」とあいさつし、ファンとの再会を喜ぶチソン。「歓迎してくださりうれしくて幸せな気持ちでした。先ほど転んだ方がいらっしゃいましたが、大丈夫でしたか?」とファンを気遣う優しさも見せた。
MCのyumiが登場し、トークでチソンの魅力に迫る。
ファンとできるだけ近づけるようにという思いで昨年から準備してきた2年ぶりのファンミーティングは、「自分の思っていたとおりに大阪でもファンの皆さんと近い距離で楽しい時間を過ごせました。今日のこの規模もちょうどピッタリサイズですね」と満足そうに会場を見渡した。
現在KNTVで放送中の最新作「キルミーヒールミー(原題)」について掘り下げていく。
Q 七重人格という役でしたが、最初に脚本を読んだときはどうでしたか?
本当に魅力的だと思いましたし、率直に自信がありました。1つの作品でたくさんの自分の姿をお見せすることができるわけですから、絶対にやりたいと思った作品でした。
Q実際にやってみていかがでしたか?
他の作品と同じように、今回も一生懸命準備しました。七重人格だからといってプレッシャーがあったわけではありません。僕の長いファンの皆さんはご存知だと思いますが、これまでも作品一つひとつ、一本一本を重ねながらやってきました。いつでも今が始まりだという気持ちでやっていますが、今回は本当にやりたいものをやったという感じでした。
撮影に入る前は興奮していましたし、作品に期待している部分もありました。期待というのは結果にではなくて、自分自身が“チャ・ドヒョン”という役を演じきることができるかどうか、そういう意味でとてもワクワクしていました。撮影を終えた今は、僕にとって力を与えてくれた作品になったと思っています。
チソンの作品に対する熱い思いに、客席からは大きな拍手が起こった。
ドラマ撮影後もなかなか役柄から抜け出すことができなかったというチソンは、「DVD用のコメント収録をしたのですが、ドラマ撮影時の瞬間、瞬間を思い出して感情に浸りました。DVDはまもなくリリースされる予定ですが、その作業を通して僕自身はチャ・ドヒョンから完全に抜け出すことができました」とし、さらに「皆さんはDVDをご覧になって、いつまでも浸ってください」とお茶目に付け加えた。
Q撮影で一番大変だったことは何ですか?
大変だと思ったことは1つもありませんでした。寝る時間がないとかはありましたが、大変だとは思いませんでした。でも第18回目の撮影前に、僕の喉の調子が急に悪くなり、撮影が中断したことがありました。放送日が2日後だったので、1日は休んで1日で放送分を全て撮影して。ドラマ1話の中で僕が占める割合が70〜80%くらいあるので、僕が撮影できないと放送できないという危機的状況の中でも、スタッフさんや他の俳優さんと力を合わせて撮ったのが第18回です。
「あのときは僕の喉のせいで、スタッフさんや他のキャストの方に本当に申し訳なく思いました。それが一番大変だったことですね」と振り返った。
また1日の中で違う役柄を撮影することもあったというチソン。
「チャ・ドヒョンになったり、ヨナになったり、シン・セギになったり、フェリー・パクになったり、楽しかったです」と言い、その場で各キャラクターを演じ分けて見せると、チソンの生演技に会場は大興奮。
ヨナとフェリー・パクの衣装も登場し、会場はさらに盛り上がりを見せた。
女子高生役のヨナの衣装について、「この制服を来て、多くの人が見ている前を駆け抜けなければならかったのが、どんなに恥ずかしかったか(笑)」と打ち明けて、会場の笑いを誘った。
ファンからの質問コーナーでは、チソンが客席に降りて直接ファンの元へ。目の前のチソンにファンも興奮を隠しきれない様子。
「女子高生の研究はどのようにしましたか?」という質問に「普段から観察しています。でも皆さんが想像するようなヘンテコな観察ではありませんよ(笑)」とユーモアも交えながら答えた。
群馬から来たというファンには「ぐんま、可愛らしい響きですね。とても美しいところなんだろうと思います」と相手の緊張をほぐすように優しく接した。また質問に答えるだけでなく、チソンの絵を描いて来たというファンからのプレゼントをうれしそうに受け取る場面も見られた。
客席との距離がさらに縮まったところで、チソンが「제비꽃(すみれ)」を静かに歌い上げると、ファンはうっとりとチソンの歌声に耳を傾けた。
続く「演技再現コーナー」では、選ばれたラッキーなファン2名がステージでチソンと共演。
演じるのは、ドラマ「キルミーヒールミー(原題)」の中でシン・セギの人格が表れたドヒョンが「覚えておいて。僕が君に惚れた時間」というシーン。
走り抜けようとするファンの手を掴んで引き止め、長い間見つめあった後に、「覚えておいて。僕が君に惚れた時間、2015年4月19日午後10時00分」。
真剣な眼差しのチソンに見つめられ、腰がくだけそうになるファンに会場からも悲鳴のような歓声があがった。うれしい企画はまだ続き、選ばれた3名のファンには自分の携帯でのチソンとの2ショット撮影がプレゼントされた。
チソンとファンが寄り添って撮影する度に、会場はさらなる熱気に包まれた。
ファンからチソンへのラブレターのコーナーも設けられ、多くのファンレターが寄せられる中、選ばれた2名のファンがステージへ。
夫婦揃ってチソンのファンで、病気で入院中の夫が書いたファンレターを夫の代わりに読み上げた女性。先日還暦を迎えたばかりだという女性の誕生日を祝って欲しいという内容に、チソンが「お誕生日おめでとうございます」と伝えると会場からは温かい祝福の拍手が沸き起こった。
また着物姿のファンは、「平凡な内容」と言いながら、気持ちが伝わるラブレターで会場を感動させた。チソンも「全然平凡な手紙ではなかったです。僕の方がずっと平凡な人間なのに。僕が平凡から抜け出せたのは、皆さんの心からの愛があったから。だから僕は特別な存在になることができたんです」と率直な気持ちを語った。
そして「いつも僕が大変なときに、日本のファンも韓国のファンも他のたくさんのファンの皆さんが、本当に心から僕を愛してくださるので、それを力に僕は生きていくことができます」と時折感極まって、言葉を詰まらせながら、ファンの愛に感謝を伝えた。
「ひと言だけ言わせてください。皆さん、たくさんファンレターを送ってくださいます。僕は日本語ができないのにすべて日本語です(笑)」と笑顔を見せ、そのすべてを読むことはできないとしながらも、「ときどき日本語が上手な母に読んでもらったりします。一通一通を心にしまっておきたい。本当にありがとうございました」と会場を見渡してファン一人一人に思いを伝えた。
最後に「今日はこれでお別れしますが、心残りには思っていません。次にまたお会いできる機会があるからです。よりよい作品、楽しい作品でまた皆さまに楽しみをお届けしたいと思っています。皆さん、永遠に一緒に歩いていきましょう」とあいさつ。
「準備した曲をさよならの代わりにしたい」とし、最後はキーボード演奏をバックに「少女」を、そして黒のハットを被って再びチソンが登場し「言えない秘密」を熱唱。ステージの右、左、真ん中と大きく手を振り、最後は大きく一礼してファンミーティングを終えた。イベント終了後はファン全員とのハイタッチ会が設けられ、応援してくれるファンの気持ちに応えようとする彼の心遣いが随所に見られる、温かいファンミーティングとなった。
チュ・ジフンとの初競演で話題となった映画、邦題「コンフェッション 友の告白」も2015年夏シネマート新宿ほかにて全国順次ロードショーも決まっているチソン。
ひとつひとつの作品を大切に積み重ね来た彼の次回作を楽しみに待ちたい。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供A・R・A
◆チソン日本公式サイト http://www.jisung.jp/