※ネタバレになる内容が含まれています。
JYJユチョンが、視聴者をじーいんと感動させたと思えばあっという間に爆笑させたり予測できない多彩な演技を見せている。妹を失った悲しみと怒りにあふれた男の痛みを表現したかと思えば、確かに好きだという思いがあるのにわざと知らん顔をして男の胸のときめきを表現したり。ユチョンが視聴者を泣かしたり笑わせたりの意外な演技で注目を集めている。
現在ユチョンは、SBSの水木ドラマ「匂いを見る少女」で妹を失った悲しみで事故にあった後、感覚を感じることができない男チェ・ムガクで熱演中だ。ムガクが妹を殺した犯人を追いながらオ・チョリム(シン・セギョン)との愛を育てていくのがこのドラマの主要テーマだ。ムガクの捜査日誌は暗くて真剣で、チョリムとの愛は明るくて甘く表現されているため、ユチョンの様々な魅力がこのドラマにそっくり盛り込まれている。
ユチョンは、5話で視聴者を泣かせ、その後すぐに嬉しくほほ笑んで見せた。ムガクはこの日妹の死んだ理由が殺人現場を目撃した同じ名前の人物のせいだったということが分かって、一番有力な容疑者を訪ね怒りを爆発させた。この過程でユチョンは悲しみと怒りが絡み合ってどうすることもできない涙を見せた。激しい感情の渦を表現したシーンは哀れさそのものだった。妹に対する愛があまりにも大きくて時々死んだ妹を思い浮べるユチョンの演技は切々たるものだ。深く演技に没頭できるのはユチョンの強味である。
こうした仲、捜査に役に立とうと一緒に行動する途中で危険に落ち込んだチョリムとの恋人のようなそうでないような恋愛直前の状況は、視聴者をときめかせる要素だ。ムガクの行動ひとつひとつに緊張するチョリムと相対的に感覚が鈍いムガクはいまだに平気な様子だ。自分のためにけがをしたチョリムに薬を塗ってやらなければならないタイミングに気付かなかったり、頭をなでてくれたと思ったら、実は頭に飛んだ食べ物をふき取ってくれたりするような行動は、どんな愛情表現よりもどきどきさせたりする。
ユチョンの何も分からないという表情と、緊張したり失望したりするチョリムの表情とが重なって面白みを倍化させる。だれが見てもイケメンでかっこいい男の魅力をアピールするので視聴者の目が釘付けにならざるを得ない。そこにそれとなく映るキュートな微笑みと口の端が少し上がった表情はムガクの魅力を一層引き立たせる。
実際ロマンチックコメディーで男姓主人公を魅力的に見せるためには安定的な演技が必須である。ユチョンはつらい過去に苦しむときは切ない感情を強く押し出し、シン・セギョンとのロマンスを演じるときはキュートな魅力を精一杯アピールして視聴者を捕らえる。このドラマがロマンチックコメディーの特有のパターンに従っている中でユチョンが本格的に愛に陥った瞬間、もっと大きな面白味を見せてくれると期待される。