『冬のソナタ』には美しいロケ地がたくさん出てきたが、一番思い出深いのは南恰島(ナミソム)。ここは、韓国でも紅葉が大変美しいところとして有名で、ソウル市民にとっても、日帰りで紅葉を楽しめる絶好の観光スポットである。
最高の休日
南恰島の場所は、ソウルから東北方向に70キロ。北漢江の中州にできた小さな島である。ちょうど葉っぱのような形をしている。島をのぞむ水辺の風景も浮世離れしていて行楽地として申し分のないところだ。
北漢江を渡る船に5分ほど乗って南恰島に着く。
しばらく歩くと、ドラマで見た並木道にいくつも出くわした。あらためて、美しい映像に残せる並木道が非常に多い島だということがよくわかった。
また、中央広場に出ると、そこから等間隔で並ぶ銀杏の小道が通っていて、葉は見事に黄色に彩られていた。
『冬のソナタ』というドラマの中では、並木道は常に静寂の中にあった。
相手の息づかいまで聞こえる静けさが、チュンサンとユジンの愛を深めていく役割を果たしていた。
また、島の東側にも広場があって、家族連れや恋人たちが食事をしたりボール遊びをしたりしていた。
そんな家族や恋人たちを囲む紅葉の美しさ。最高の休日だろう。
さらに、すばらしいモミジの中で、『冬のソナタ』の印象的なシーンをいくつも思い浮かべた。それは、本当に心地よい時間だった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ