歌、バラエティー、ドラマで活躍し、ついにスクリーンに挑戦状をたたきつけた俳優イ・スンギは、映画「今日の恋愛」で常に女性が望むとおりにしてあげても、交際して100日目に会わなかったためにフラれてしまうという、見ていてもどかしい男ジュンスを演じた。彼にとって女性の心は永遠に解けない難題だ。友だち以上恋人未満の間で迷うイ・スンギの姿は、愉快な笑いと大きな共感を呼び、観客の心をつかんだ。

「女性はわかってもわからない存在だと思います。男性は女性をわかっていると思っているけど、違うじゃないですか。女性は不満や悩みを話すのは、ただ聞いてほしいということだけど、男性は解決策を提示してしまいますよね。そういった違いがあるんだと思います。本当にわかりませんね（笑）。『花よりお姉さん』という番組で、女性は僕が考えているより複雑だということがわかりました。例えば、旅行に行ってよく眠れなかったり、胃の調子が悪くなったりする姿を見て驚きました。女性は本当に単純ではないですよね。以前は彼女が怒って『電話してこないで』と言ったら、本当にしなかったんです。今は？…ハハハ。秘密です。」

劇中のジュンスには、特別な関係の女性がいる。毎日一緒にご飯を食べて、映画を見て、家に送ってあげて手をつないで、何かあった時にはいつも助けてあげて、部屋の暗証番号まで知っている関係だが、恋人ではない。お酒を飲もうと呼び出しては、他の男が原因で泣いたり怒ったりする18年来の友人ヒョヌ（ムン・チェウォン）だ。

「ジュンスとヒョヌは、『友だち以上恋人未満』というより『恋と友情の間』という表現の方が合うような気がします。ジュンスの立場で考えると、ヒョヌはダメだと思っていたんだと思います。ヒョヌとうまくやってみようという考えがあったら、友人ではいられなかったでしょう。面倒をみてやる友人としていようと思ったんです。ジュンスは女性と付き合うけど、つらい恋を新しい恋で忘れるのではなく、やっぱりヒョヌが好きなんだということに気づいてしまうんです。」

ヒョヌは自分を18年間見守ってくれた友人ジュンスに「クソッたれ」とひどい言葉も浴びせ、酒も水のように飲み、「決定的にあんたは興奮しない」と言って、男のプライドを傷つけるような言葉もためらわずに吐き出すワイルドなキャラクターだ。

「『あんたは決定的に興奮しない』という言葉は、男にとって最悪でしょう。それは努力したからと言って改善できるものでもないし。そんなことを言う女性とは二度と会わないと思います。本当にそんなことを言われたら、プライドが傷ついて会えませんよ。それとヒョヌはファンタジーです。現実なら酒を飲んで悪口を言う女性は、受け入れられませんね。ムン・チェウォンぐらいの美人でなければ受け入れるのは難しいですよ（笑）」

イ・スンギは一番好きなシーンとして、エレベーターの扉をはさんでお互いの感情を爆発させるシーンを挙げた。

「セリフや状況が本当に現実的じゃないですか。男女が酒の力を借りてケンカして。『お前は俺がなぜ合わせてやってるかわからないだろ？18年間、俺を見守ってやろうと努力したことはないだろ？』というセリフはアドリブなんですが、僕が本当にこんな状況になったら、そう言ったと思います。」

今回の映画は、イ・スンギの姿をそのまま投影した作品だ。彼の演技を見ていると新鮮さはないが、異質な感じはなく楽に感じられる。

「ドラマの時よりアドリブが多かった気がします。チョン・ジュニョンに『そんなイワシみたいな奴らは腸が短いから、トイレの回数が多くて太らない』と言うシーンも、僕が普段から冗談で言う言葉でした。セリフには日ごろ使っているような冗談がたくさんありました。そのせいか、映画を見た人たちから『今までの僕の作品の中で一番違和感なく見た』とか、『お前にピッタリだ』とよく言われました。」

韓国で1月14日に公開した映画「今日の恋愛」は、公開2週目で観客数200万人を突破。韓国のラブコメ界に新しい歴史を刻んでいる。スクリーンデビューも成功したイ・スンギは、3月に本業である歌手として帰ってくる。

イ・スンギのニューアルバムは、2012年11月に発売されたミニアルバム「森」以来、2年4か月ぶりとなるだけに、昨年からじっくりと制作に打ち込んできたという。

「前から好きだったミュージシャンで、キム・ドンリュル先輩に紹介してもらい、昨年からアルバム制作作業を進めてきました。ドラマと映画の撮影があったため、少し延びてしまったけど、最近からレコーディングを始めました。『元に戻す（Return）』をたくさんの女性が気に入ってくださったが、それをきっかけに女性が聞きたくなるような歌を作るのが目標になりました。今回のアルバムも女性が聞きたくなる音楽にするつもりです。」

WOW!korea提供