新型コロナという闇の中でもグループBTS(防弾少年団)が、まばゆいばかりに輝いている。 BTSは14日、オンライン リアルタイム ライブコンサート「BANG BANG CON THE LIVE」を行って、全世界107地域で約75万6600人のファンたちを集めた。
BTSの4thフルアルバム「MAP OF THE SOUL:7」は、今年日本のオリコンチャートの上半期アルバム販売量1位になった。 日本人でない海外のアーティストが1位になったのは36年ぶりで、1984年のマイケル・ジャクソンの「スリラー」以来となった。
これだけでない。 出す歌ごとにビルボードチャートに進入して、ミュージックビデオの再生数は爆発的だ。 アメリカ経済専門紙フォーブスによると、5兆5000億ウォン台の国内総生産(GDP)創出効果をBTSが産むほどだ。 これは韓国の名目GDP 0.2%に該当する規模だ。
今は韓国を食べさせるほどの波及力を持っているグループだが、初めからそうだったわけではない。 中小企画事務所に属した俗称“泥スプーンアイドル”だったためだ。 著者はBTSが成功できた理由を音楽専門家たちの話を引用して“ストーリーの力”と話す。 ありふれている愛の歌より、同じ年頃の青春の悩みごとなどの話を共感できる音楽で解きほぐしたのでファンたちが熱狂したということだ。
著者はまさにこの視点に注目する。 文化でない、ビジネスの領域でも、組織のリーダーとして多数を説得したいならBTSのようにしなければならないと強調する。 アリストテレスの説得モデルによりロゴス(論理)を強調するリーダーは多いが、感動をあたえるリーダーになるにはエトス(個人の信頼度と性分)とパトス(感情的連係)が重要だということだ。 著者は「ファクトと数値でリーダーシップを発揮する時代は過ぎたし、短くて強烈なストーリーを積極的に活用しなければならない」と、話す。
本にはこのように深い理由と洞察力を入れた文などが収録された。 成長するリーダーになりたかったり、リーダーに成長したい人のための“考えの力”を育てる文だ。 大きく5種類キーワードであるリーダーシップ、変化と革新、思考法、自己管理、文化と教養などで構成された。
著者がこういう文を書き始めたのは韓国経済新聞編集局長で在職中だった2015年6月だった。 なにげなく読んだ記事に隠れている観点とメッセージを再確認するという趣旨で文を書いて韓国の500大企業CEOに送って始まった。
そんなふうに韓国のマスコミで最初のニュースキューレーションサービス「イ・ハギョンのニュースレター」は、運営5年目である現在、購読者5万人に達するサービスに成長した。 本にはそんなふうに書かれた約300編の文の中から厳選されたものがぎっしり埋まった。
著者は尋ねる。 立派なリーダーというのは何であり、効果的なリーダーシップというのは何か、競争力がある組織のためにどのように変化するべきで、賢明な判断はどのように下せるのか、特に自ら成長するためにどのように自己管理をしなければならないのか。
そして著者は答える。 「他の人々がなにげなく見逃したことに意味を取り出してあげて、まったく前が見えない逆境を踏んで道を開いていく人々は考えの力が強い」で、与えられた状況を克服するためには「激しくて徹底した理由と省察、洞察力が必要だ」という。 この本が人間の無限の“無知”を満たせるように助けるだろう。
◇リーダーを育てる考えの力/イ・ハギョン著作/韓国経済新聞