チャン・グンソクが主演した『テバク』は、最終回の視聴率が10.0%だった。ドラマの評価の仕方は様々にあるが、ビジネス上では最も重要とされる視聴率で、主役のチャン・グンソクは最後に2ケタの数字を獲得した。地上波だけでなくケーブルテレビも加わって視聴率競争が激しい中で、その数字は及第点と言ってもいい。
多才なスター
2016年7月下旬、チャン・グンソクは富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭に登場した。
俳優としてではなく、短編映画『偉大なる遺産』の監督として映画祭に招聘されたのだが、白いウェアで地味にまとめていても、その華やかさは隠しようがなかった。
「俳優ではなく、監督として映画祭に招待を受けた今日は、僕にとって忘れられない1日になるでしょう」
そう語っていたが、少しふっくらしたように見えたのは、『テバク』の撮影と7月のツアーを終えた安堵感からだったかもしれない。
演技はもちろん、ステージでのエンターティナーぶりも一流で、さらに短編映画の監督までこなしている。多才であることは、1人の人間を語るうえで申し分のないことだ。「天は二物を与えない」というのは、大方の人間には通用しても、特別な才能を持った人には例外となる。
ただし、俳優であれ監督であれ、ドラマや映画に関わる人は、2つの厳しい審判を受けることになる。
1つは視聴率や興行成績という数字であり、もう1つは視聴者や観客の評価である。この2つで満足する結果を同時に得ることはかなり難しい。
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